08
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
   

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「宙の発明家」第一章 二.世界の果て⑧



「いつもどおり、ママにお休みって言って。
お気に入りのベッドに入って、茶色の熊のぬいぐるみ抱きしめて、クリスマスのプレゼント何が来るのかとわくわくしていた。
でも、目が覚めたら、違った」

「リスガも言っていたけど、本当になんでここに来たのか、知らないんだな」
「うん。間違いだったと思う、きっと、間違って、置いていかれたんだ」
「…多分、ね」
「間違って連れてこられて、間違って、取り残された…」

そんなことありえないと、わかっていても、でも。

クラフにはその理由は想像できなかった。だから、間違いだと信じることにした。
いつか、迎えが来る。そう信じて。

「な、クラフ、僕はお前の知っていること、もっと知りたいんだ。さっきの話の返事はまだいいから、皇宮に戻っても、また、会ってもらえるかな?」
「!もちろん!だって、友達だもん!セキアに文句なんか言わせない」
「ふ、そうだな」
カカナは整った顔に笑顔を浮かべて、クラフの手を握り締めた。
誰かと触れることが嬉しいクラフは、にこにこして、カカナの腕にしがみつく。

「本当にこういうの好きなんだな」
「うん。変か?なんか、安心する」
「変だとは思うけど。セキアが教えたんだな」
「ん?そうかな?覚えてないや」
「クラフ、お前は分かってないよ。
セキアは優しい振りしているけどね。自分の都合のいいように、お前を育ててきた気がするな。お前が上手くなつくように仕向けている感じだ」
「…それは」
クラフは言葉を失って、うつむいた。

そうかもしれないとは思ってはいた。
けれど、そう、育ってしまっている。分からない。
セキアが隣にいれば、手をつなぎたくなるし、外出時にロープでつながれたって、自分から解くこともしない。
自由でいる意味なんか、なかった。
果てを見て、思い知った。
帰るはずの場所が、ないことに。
それはとても遠いところになってしまっていることに。

それから、ここで生きることに、少し前向きになった。そばにいてくれるセキアを、改めて大切だと思うようになった。セキアしか話し相手はいなかった。
表とか裏とか。おなかの中で何を考えているかなんて、考えるのは止めた。
それより考えたいことや知りたいことがたくさんあった、やりたいこともたくさん。

信じているのは、楽だ。
甘えることに似ている。

「それでもいいんだ」
クラフの答えに、カカナは目を丸くした。
「なんだ、そこまで、彼らが好きなのか」
「ん。オレ、カカナのことも好きだよ!大切だ。
ピーシも。この世界に俺の知っている人は片手で数えられるくらいしかいないけど、だから、みんな大好きだ」

「ふ。判断することをあきらめている、そう思えるよ。
自由になりたければ僕のとこにくればいい。
代わりにいろいろ教えてほしいことがある。
人質だなんて、司教会も賢老士会もいっているけど。そんな立場じゃ、いやだろ?お前なら、本当は手段さえあれば帰ることが出来るんじゃないか?
帰りたくないのか?親に会いたくないのか。
今、このまま彼らの言うなりでいいのか?」

クラフは黙った。
つないだ手をぎゅっと握り締める。
カカナは続けた。

「子どもの振りして、親がいないから、不自由に育ったから、ってごまかすなよ。お前は天才だろ。頭も切れる。見えることを見えない振りしてるとか、帰りたいくせに平気な振りしているのとか、僕は悲しくなる」
「…ありがとう、カカナ。オレは、いつか、帰る。大丈夫」
クラフの口調は、かみ締めるかようだ。
「クラフ…」
カカナが言いかけたところで、足を止めた。
「どうした?」
クラフも立ち止まって、辺りを見回しているカカナを見上げた。
「…何か、いる」

<<クラフ君に同情のポチお願いします!(>_<)>>

 続きはこちら!(^^)
「宙の発明家」第一章二.世界の果て⑨

関連記事
スポンサーサイト

南瓜人形さん

こんにちは!コメントありがとうございます!
すばらしい読みにドキドキしているらんららです!(^^)
隕石!そうかそれは、想像していなかったです!そう言う手もある!(おい…^^;)
クラフくんが、なにを思って、いつか帰ると語るのか。
ふふふ。楽しみにしていてください。(なんて、ほのめかしても、すぐ分かっちゃうんだけど^^;)

どうも、お久しぶりです。
いつかは帰る……
それは、既に帰ることの出来る乗り物を造る技術が
あるということなのか、
それとも、自分の中での決意なのか。
どちらにしろ、クラフ君が地球に帰ることは確定みたいですね。

しかし、浮遊石……
斥力を発生させる石と考えるのならば、隕鉄か何か、かな?
もしかして、人工的なモノ?
それに、クラフ君を置いたままの両親。
何時でも、迎えに来れるという証?……
何か、宙の世界が巨大な実験施設のような気がしてなりません。

kazuさん

いい読みですね!
クラフ君、まあ、基本的にバカじゃないので。
いろいろ、考えているわけです。
この世界のことも、これからだんだん出てきます。
宙の世界。
想像していただけると嬉しい!

花さん

コメントありがとう!(^o^)
複雑な心境…ですよね。
なんだかもっと、軽く楽しいお話にしようと思っていたのに、どんな気持ち?って考えているうちに難しい感じになってきました(><)
やっぱり、何にも考えてないキャラクターなんていないし…
こんな状況のくーちゃんだからこそ、わがままいっぱいでも子供でも、許してあげてねーv-238
ちまちま更新していきますので!また遊びに来てね!



こんばんは♪
クラフ君、本当はかえることができるんですね。
その手段を、実は考え付いていて。
でも、帰らない。
迎えに来てくれるのを待っているから。
ここにおいていかれたこと、本当は間違いだよって、置いて行くつもりじゃなかったんだって、そういって迎えに来てくれるのを待ってる。

この世界には、自分を大切にしてくれる人がいる。
だったら、その人達と一緒にいるほうが、いいに決まっていて。
心の中は寂しいけれど、それでも、そのほうが安心。

この国は、地球の空のなかにあるんですね。
宇宙服を着てじゃないといられない空間。
なんだか、本当にクラフ君が、宙にいる気がしてきます♪

必殺、一気読み~。
そうかぁ。そうだよね、クーちゃんも、ホントにただ幼いわけじゃないよね。あんなに賢いんだし、一人で取り残された…わけだし、考える所は一杯あるよね。
何だか複雑な心境だなぁ…。
誰もクーちゃんを利用しないで、一人の人間として、大事にしてあげてほしいな。それで、クーちゃんの意見を第一にして、これからの生き方を決めて欲しい。
…でもね、個人的意見を言うと、やっぱり帰らせてあげたいな。どんな残酷な現実が待っていても。
私文失礼っ。
Secret

プロフィール

らんらら

Author:らんらら
のんびり小説を書いています
日記ブログはこちら♪

ランキング参加中です♪

クリック よろしく~♪

FC2Blog Ranking

最近の記事+コメント

FC2カウンター

リンク♪

小説ブログの皆様

カテゴリー

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。