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「宙の発明家」第二章 一.二人の賢老士①

<<らんららです!クリスマスも終わって、来年に向かってまっしぐら…なのに、まだ、年賀状一枚も出来上がっていない…やばいです(><)
さて、クラフ君とセキアさん、めでたく仲直りしました!飛行機も完成が近いし、クラフくん、本当に帰っちゃうの?>>


第二章 一.二人の賢老士

雷嵐の夜だった。
クラフは昨日、頼んでいた鍛冶屋から届いた金属板を「空の羊」号の外側に溶接しなおしていた。天然ガスを燃えにくいラマの胃袋で作った袋に詰めて、金属のパイプにつなげて、手元で調整するコックがついている。簡単なものだ。

換気のために設けられた地下室の一画で、クラフの作業するすぐ上の天井に大きな換気扇がつけられている。室温の変化から生じる気圧差を利用して空気を循環させる装置だ。低いブンという音が絶え間なく響く。そこに、溶接の火花がパチとはじける音を加える。
目を保護するために黒いガラスのゴーグルをかけている。この世界で普通に売られている眼鏡に細工したものだ。最初、ただレンズ部分を変えただけだったが、それをつけたクラフを見て、セキアが笑ったので、形も眼鏡からゴーグルのようなガラス面の多いものに変えた。

長時間に及ぶ作業で、クラフの額に汗が光る。
不意に、明かりが消えた。

「うわ、雷かな」
ゴーグルを外して、手に持つバーナーの灯りを頼りに、クラフはそろそろと、セキアのいるほうに向かう。確か、さっきまで仮眠用のソファーで寝込んでいた。
典季から祈季へ変わる日は、この世界ではクリスマスみたいな重要な行事のある日だ。流季節(りゅうきせつ)と呼ぶらしい。家族が集まってともに祝う習慣だ。カカナも、ピーシも、リスガも、それぞれ自分の家に戻っている。だから、今夜、セキアは少し酒を飲んだ。大聖堂からのお使いが来て、お祝いの品を持ってきて、その中に珍しく酒があったから。
それで、起きていられなくなったんだとクラフは思った。
セキアの家族とか家とかの話を聞いたことはない。以前、尋ねたら「さあ」ととぼけられてそのままだ。言いたくないのだろう。そのまま放っておいてある。
それでも、こういう日は、少し淋しそうに見えて、いつもなら自分より先に眠りかかると叩いて起こしてやるのだけれど、今日はそっとしてある。
クラフはバーナーの炎を小さく調整して、セキアのいる辺りに声をかける。

「セキア!おい、起きてる?」
真っ暗な中、バーナーの青い炎は足元すらまともに照らせない。
「セキア!もう、役立たずだなぁ!」
まだ眠っているようだ。
仕方なく、バーナーを消して足元に置き、手探りを覚悟したときだった。
天井の換気扇の音が止んだ。
「?」
見上げる。
気圧が、下がった?
だから、止まった?
ふわ、と涼しい空気を足元に感じて、閉めてあった扉が開かれたことに気づいた。
「?だれか、いるのか?」
真っ暗だ。
クラフはポケットのもえ玉を取り出そうとして、バーナー作業中のために机の上においてきていたことを思い出した。
仕方なくぺたっ葉を、そっと構える。
相手も、暗いはずだ。音を立てなければ、クラフがどこにいるのかは、分からないはず。
緊張したまま、静かに息を吐く。
じっと、耳を澄ます。
ぼ、という音とともに、松明が目の前に現れた。
「うわ!」クラフは思わず声を上げた。
一つ、二つ、三つ。

大柄な、騎士の姿の男たちが三人、立っている。
「クラフ、だな」
一人が低い声で言った。
「あんたたち、なんだよ」
「賢老士会での決議だ。お前の研究を禁じる。お前はこの地下室への出入りを禁じられ、一階の寝室に監禁される」
男の言葉が終わらないうちに、左右にいた二人が、クラフの両脇に近づいてくる。
思わずぺたっ葉を、左から来たやつに投げつけた。
「うお?」
男は顔に貼り付いたそれに驚いて止まったが、同時にクラフは右から来た男に腕をひねり上げられた。
「いた、いやだ!セキア!助けて、セキア!!」
叫んでも、ソファーに横たわる彼は、ピクリともしない。
「いやだぁ!」
「うるさい!黙れ」

暴れるクラフ。数回目のひじうちに手ごたえを感じたとき、腕に鋭い痛みを感じた。
「いや、だ」
数回、殴られて、クラフはひざをついた。
引きずられるようにして、地下室から出される。
「せ、きあ……」
悔しくて、苦しくて、胸を押さえた。
助けて。

一階の寝室の扉を開けて、男たちはクラフをずるずると運び込むと、そのまま、扉を閉めた。
闇に、雷の光が一瞬閃く。天井の明り取りの窓から、異常な色合いを見せるオーロラが、流れるように見えた。
クラフは冷たい床に頬を押し付けていた。その金色の髪に冷たく雷の青が光る。


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 続きはこちら!(^^)
「宙の発明家」第二章一.二人の賢老士②
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kazuさん

ごめんなさい。
らんらら、ひどいことしますね…。
冷徹に仕事をこなす作者ですよ…。
かわいい子には旅を。
ええ、クラフくん、困難に立ち向かってもらいますよ!
セキアさんも!当然。
男はいざというときに価値が問われますよね!

いやぁぁぁ・・・。
クラフ君!もしかして、お祝いの品にお酒があったのって・・・・・・。
セキア様!気づいて!!
起きたときにこの惨状を見たら、後悔するし責任感じてしまいそう!
一体突然、なにがおこったの!??
はらはらしながら、次回待ってます!!
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