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「宙の発明家」第二章 一.二人の賢老士②

<<今日は仕事納めです!大掃除して、やる気のない仕事こなして(^^)明日からのお休み、時間は少ないけれど気持ちだけはのんびりするぞぅ!!>>

風向きが西から東に変わったその日、昨夜の雷嵐がうそのように快晴で、空は薄青に晴れていた。そわ、とした寒気に首をすくめてリスガは肩にかけたアンゴラのストールをぎゅっと首元に抱きしめる。
吐く息が白く凍る。
少女の頬は少しピンクに染まり、白い毛皮に包まれるその表情は、幸せそのものだ。
そして、その幸せの源が、学校の寮棟の中庭に見えると、花のような笑顔が生まれる。
「おはよう!」
リスガの透き通る声に、カカナは笑って手を振る。
駆け寄るリスガ。

白いコートのすそがゆれる。上質の羊毛から織られたそれは、やわらかく、きめ細かいしっとりした手触りだ。それを楽しむかのように、カカナはしっかり抱きしめる。
「お休みはどうだった?久しぶりにおうちに帰れたんでしょ?」
二人は手をつないで歩き出した。

「それが、ね、父上は戻られなかった」
「え?だって、流季節(りゅうきせつ)のお祝いは、じゃ、一人きりだったの!?」
「…うん」
カカナは恥ずかしそうに笑った。
「仕方ないよ、なんだか忙しいみたいなんだ、臨時の賢老士会が開かれたみたいで。僕のところは本当に二人きりだからね、仕方ないよ。僕だって、このところずっとクラフのところに付きっきりだったし。父上に次の試験のこと言われずに済んだだけでも、良しとしなきゃね」
「そうなんだ、うちに来ればよかったのに」
「皆集まったのかい?」
「お父様と、お母様、それから叔父様たち、従兄弟。全部で十二人くらいは集まったわ」
「そうか。クラフたちは、呼ばないんだ」
「それは、ほら、クラフの存在は、そのメンバーの中でもお父様と私しか知らないから」
「!あ、そうだね。そうか」
カカナはふと笑う。

「最近、いつも一緒だから、クラフが人質ってこと、忘れちゃっているな」
「そうね、カカナも無理して体壊さないでね」
「ああ、大丈夫。後、少しなんだ。機体は新しい金属をクラフが考え出して、そろそろつけ終わる頃だよ。後は、操縦席の天井部分だけなんだ。今のままでも、この世界の空を飛ぶことはできるんだけど、クラフの目的を考えると、もう少し強度を高めなきゃいけないんだ」
「ふうん。ね。この間の夜空、きれいだったわね。私また、乗ってみたいな」
リスガは、試験飛行のためカカナと二人で乗ったときのことを思い出して、うっとりする。
カカナは、そのときのクラフのちょっと悔しそうな、顔を思い出す。
「最後まで、君と二人で乗るって言っていたね、クラフ」
「…やだ、気にしているの?」
「そうじゃないけど、クラフの君に対する思いは、多分、恋とは違う気がする」
「そうよ。甘えたいだけなの、クラフは」
「ふ、手厳しいね」
休暇中の学校は静かだ。

こうして二人で手をつないで歩いていても、誰も何も言わない。暖かい大きな手に、ぎゅ、と愛情を込める。優しく握り返すカカナの返事。
リスガは自然と笑みがこぼれる。

「カカナ!」
二人だけの時間を邪魔する声に、リスガは肩を落とす。
ピーシは寒がりらしく、分厚い黒いロングコートをばたばたさせながら、こちらに向かって走ってきた。レンガを敷き詰めた歩道に、ブーツの音が響く。
「大変なんだ!」
「え?」
二人の前まで来ると、ピーシは、息を切らせて、苦しそうにうつむいてひざに手を置いた。
「どうしたんだい?何かあったのか?」
まだ、穏やかな表情のカカナ。
リスガも、少し口を尖らせて、ピーシの黒い髪を見つめる。
ぐん、と勢いよく顔を上げて、ピーシはカカナに言った。
「クラフが!今、クラフのとこに行ってきたんだ!そしたら、研究室は閉鎖されていて。政府の警備兵が立っていてさ、入れてもらえないんだ!」
「どういうこと?」
リスガが声を上げた。
「…まさか、クラフのお迎えが、来たのかな!」
カカナの言葉に二人は黙った。
「分からない、せめてセキアが一緒だといいんだけど」
ピーシは唇をかみ締めた。

「とにかく、行って見よう!リスガ、大教皇には何も聞いていいないのかい?」
「朝早く出かけてきちゃったから、今日はまだ、あってないの。きっと、お父様なら何か知っているわ!だって、うちの敷地内で起こったんだもの!」
三人は駆け出した。

庭の緑の苔は、朝の冷たい空気に白いもやをまとわせている。
それを吹き払うかのように三人は走り抜ける。


離れの前には、二人の警備兵が立ち、長い槍を持って無表情に威嚇していた。
ピーシの姿を見つけると、一人が怒鳴った。
「また来たのか、お前!さっさと帰れ!ここは立ち入り禁止だ」
あごの割れた偉そうな警備兵に、リスガがむっとして一歩歩き出す。
「あ、リスガ」慌てて、カカナがとめようとする。
「だって、私の家の中であんな態度!聖騎士でもないくせに、なにを威張っているのよ!」
正義感の強いリスガは、納得がいかないと大人にも食って掛かる。
確かに、大教皇の娘であるリスガのほうが、身分は上だ。当然、カカナやピーシも。聖騎士であれば、リスガの顔を知らないはずはなかった。
けれど、警備兵は命じられてそこにいるのだ。仕事として。態度が悪いからといって、理由も分からない状態で権威だけを振りかざすのはカカナの好みではない。それは、ピーシも同じだった。
二人とも、父親の名前がある。それは権威を与えてくれる代わりに、汚すことの出来ないものだ。

「リスガ、まず、セキアを呼んで貰おう、事情を聞いてからだよ」
カカナがリスガの肩を抱きとめ、ピーシも頷く。
「なに!?ねえ、何なの!」
リスガが離れの入り口を見つめたまま、叫んだ。
カカナもピーシも、リスガの見つめるほうを見た。
担架に、毛布をかぶった何か。そう、まるで、人のような大きさの何かが運ばれてきた。離れの中からだ。二人の聖騎士が黙ってそれを運んでいる。かかっている毛布に、カカナも、ピーシも見覚えがある。
寝室にあったものだ。
「やだ、まさか……」
リスガが震えて手で顔を覆った。
「あの、それは、あの」
聖騎士に、カカナもうまく聞けない。
「警備兵だ」
セキアだった。
聖騎士の運ぶ担架の後から、出てきた。
少し、憔悴した様子で、表情も険しい。
ピーシが駆け寄った。
「あの、クラフは?どうして閉鎖されたの」
セキアは、ピーシの肩に手を置いて、聖騎士たちに先に行くように目で合図すると、青い顔をしているリスガ、そしてカカナの顔を見た。そして、背後の警備兵を振り返ると、言った。
「中を見せてもらう」
警備兵は姿勢を正した。セキアは聖騎士の尚位。警備兵からすれば、視線を合わせることもかなわないほどの身分の違いがある。
「やだ、ぜんぜん態度違う…」
リスガが警備兵に顔をしかめて見せた。
「リスガ、案外子供っぽい」ピーシがあきれた。
「そこが可愛いんじゃないか」カカナが笑う。
「三人とも、あまり物に触らないようにお願いします。これから、調査士が入りますので」
「え?調査士?」
「さっきの警備兵、殺されたの?」
「…おそらく」
調査士、とは、事件があったときの記録をとり、裁判のための資料をそろえる役のことだ。医学や薬学、調査学、を取得した聖騎士が任につく。騎士といえども、ただ剣術が出来ればよいわけではない。騎士の称号は、公の職務に携わるものの総称、とも言える。
セキアは、迷路を進みながら、三人に話し始めた。

「飛行機の存在を、賢老士会に、知られてしまったのです」

<<クラフ君、どうなっっちゃったの?!(><)応援のポチお願いします!>>



 続きはこちら!(^^)
「宙の発明家」第二章一.二人の賢老士③
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tag : ファンタジー 小説 冒険 少年 仲間

アポロちゃん

さ、30日!
(・_・;)
大変です~けっぱれぇ!
らんららは今、今年最後のおやつ休憩してます♪
食べ尽くさなきゃ!と、けっぱってます(使い方○?)

(OωO) ン?

は・・・・・。

あの・・・・。

え~~~~!!!(゜□゜;
いきなり殺人!?なんだ・・・?なにがあったんだ。
せっかく飛行機いいとこまでいったのに。
いいタイミングでばれちゃって(><; モー

それにしても、カカナとリスガのラブラブっぷり。
やきもちですょ。やきもち。
(● ̄3 ̄●) プー
私は30日まで仕事です。けっぱります(がんばる。気合いれるって感じの意味ね。)

Kazuさん

ありがとー!!
セキアさん慰めてあげて下さい(T_T)
彼はこれから大変ですf^_^;
職場の大掃除終わって、すでに1日の力を使い果たしたらんらら(+_+)
ぐったりしてます~

ほんわか~、ほのぼの~、らぶ~って思ってたら!!
警備兵が殺された・・・?えぇっ、どして??
飛行機の存在が、なぜ、賢老士会に知られてしまったのか・・・。
セキア様、あぁ、憔悴されて・・・・。
私が抱きしめ・・・がふっ(殴
でも、私もリスガさんと一緒ですね。
態度の変わった警備兵に対して、文句言っちゃいそう。
むーかーつーくー!!

今日、仕事納めなんですね!一年間お疲れ様でした。

あぁっ、はらはらのしどうし。更新待ってます!!
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