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「宙の発明家」第二章 二.父親①

★★さあ、連載再開です!お休み気分はすでに、ふっとんでいますよ!らんらら、全開です!!★★

「宙の発明家」第二章二.父親

ちょっと間が開いたので、前回までのあらすじです!

宙(そら)の世界に一人で置き去りにされた少年クラフ。いつか、自分のいた世界に帰りたいと作っていた飛行機の存在を知られ、監禁されることに。
ところが、警備兵の死体を残して、監禁されているはずの彼は行方が分からなくなってしまった。
クラフの世話をしていたセキア、一緒に飛行機を作っていた友達カカナとピーシ、そして、リスガ。皆がクラフのことを心配しています。
クラフは無事なのか?
なにが起こっているのか?

続きから、どうぞ!



ふう、と息をついた。寝ていた事に気づく。閉じたままのまぶたが赤く見える。
「なんだ?」
目を開けると、眩しい光が、視界に広がる。
何も見えなくて、クラフは何度も瞬いた。真っ白い世界、痛いくらいの光に、眉を寄せる。
目をこすってみる。それでも、目を開けていられなくて、両手で顔を覆った。
「気分はどうかね」
聞き覚えのある声に、一瞬びくりとし、クラフは起き上がった。
誰かが肩を抑える。
「誰だよ!ここ、どこ?」
目を手で押さえたまま、クラフは怒鳴った。
眩しくて、やっぱり目が開かない。
「どうした、どこか痛いのかね?」
あくまでも穏やかな口調。思い出した。

カカナのお父さんだ。
「あの、ブール候、カカナのお父さん、だよな」
「ああ、そうだよ、どうしたクラフ、目が見えないのかい?」
クラフはかぶりを振った。
「違う、眩しいんだ!部屋を暗くして!目がどうかなっちゃうよ」

そう叫ぶと、クラフは手で顔を覆ったまま、柔らかなベッドにうつ伏せに横たわると、目をぎゅっと閉じ、手探りで顔を覆うものを探す。
ようやく、毛布らしきものに気付き、頭からかぶる。

「そうか、初めてだったね、昼間の光は」
毛布の上から背中を優しく叩かれた。
クラフは恐る恐る、目を開けて、毛布の中で自分の手が見えることを確認した。
「なあ、今の、太陽の光なのか?」
「そうだよ」男の声がする。少し、楽しんでいるようにも聞こえる。
「オレ、ぜんぜん、見えない。真っ白で…オレ、目がどうかなっちゃっているかも」
毛布越しの日差しが、ちょうどいつもの研究室の明るさくらいだった。何度も目をこすって、やっと少し、気分が落ち着いてきた。
「そうか、十年の間、一度も日の光を浴びていないからね。目が弱くなっているのかもしれないね」
「……」
「今、部屋のカーテンを閉めるよ。待っていなさい、暗くしてあげるから」
立ち上がる音。男の歩数から、割と広い部屋だと気付く。毛布の中からでも、部屋が暗くなったと感じた。
恐る恐る顔を出してみた。

「いつも、毛布に隠れているね、君は」
視界を確認して、目の前に椅子を運んできて座る男をにらみつけた。
むくと起き上がる。
以前の怖い印象から少しドキドキしながら、クラフは室内をまず見回した。
それから、自分。手を見る。縛られてはいない。
左腕の痛むところを服の上から押さえてみる。手当されている。包帯が巻かれていた。ぬくぬくした温かい毛布みたいな生地のシャツと、ズボン。ほんのり、甘い香りがした。

「傷は手当しておいたよ。暴れたらしいね、すまなかった、彼らに君のことをあまり詳しく教えていなかったからね、彼らも君の作った、ほら、なんていったかな、葉っぱ。あれに驚いたのだろう。許してやってくれ」
ブール候は、穏やかに笑っている。
整った顔。少しカカナに似ている。
「その服は、カカナの小さい頃のを借りたんだよ。丁度よかった。なかなか、捨てられなかったのだが、役に立ったね」
クラフは、男をじっと見詰めた。政治家、怖い奴、けれど、こういう話をされるとやっぱりカカナのお父さん、という印象が強い。
「甘いにおいがする」
くん、ともう一度クラフは少し長い袖の匂いをかいだ。
「ああ、それは、ね」
くすくすと笑う。

「カカナの母親が好きだった香なんだよ。カカナがそれを着ていた頃は、母親は亡くなっていたからね、淋しくてその香りをよく、使っていたんだ」
「カカナが?」
「ああ」
面白そうな顔をしているクラフに、ブールは片目をつぶって見せた。
「私が話したこと、カカナには、秘密にしておいてくれ」
クラフはにっこり笑った。素直な笑みだった。
「オレ、気持ち分かる。カカナもお母さんがいないんだな」
「ああ、カカナが七歳の頃、亡くなったんだ。そうだ、丁度君が、こちらに来た年のことだね」

「ふうん。病気?」
「ああ、昔から、体が弱くてね」
「それで、カカナ、医者になりたいんだな」
クラフの言葉に、ブール候は目を丸くした。
「あれ、違うの?」
クラフは膝を抱えて座ると、首を傾げてみせる。
男は、少し遠い目をして、考え込んだ。

「なあ、ここどこ?オレ、どうしてここにいるんだ」
「!ああ、君は私が保護したんだよ」
「だって、さっき…」
「発作を起こしていてね、カカナに薬のことを聞いていたから間に合ってよかったよ」
クラフは眉をよせた。クラフを捕まえに来た男たちのことを、ブール候は自分の部下みたいに言っていた。許してやってくれと。なのに、保護?

「お腹すいただろう?今、食事を運ばせよう」
「…オレ、パセリ食べないから」
「ああ、そうか。デザートは必要かね?」
笑いながら、男は立ち上がる。
「蜂蜜のかかったのがいい!パンケーキとか、プリン!」
「作らせるよ。外は眩しいからね、出歩くんじゃないぞ」
そう言って分厚い木の扉を、ギシと鳴らして、出て行った。
クラフは室内を観察する。

こげ茶色のレンガの床。ベッドは大きくて、ふかふか。毛布は柔らかな絹のカバーがされていて、つるつると光る。まっしろで、少し眩しい。

天蓋がついていて、薄い水色のカーテンが絞られて綺麗なドレープを描く。ベッドの頭の方に、棚がしつらえてあって、ぬいぐるみや小さな時計、クラフが持っていたデンワが、無造作に置かれている。作業中に紐で首から下げていたから、着替えた時に外されたのだろう。
多分、ブール候は、コレが何なのか知らないのだろう。

クラフはそれをそっと首にかけ、服の下に隠した。あまり遠くなければ使えるはずだ。セキアか大教皇に連絡が取れる。
室内を歩く。四角い部屋はほとんど正方形だ。窓は片側に一つ。深い青の厚い織物のカーテンが、まぶしい陽光をさえぎってくれている。少し窓の外は気になるが、まず先に、室内の点検だ。

カーテンの下に、三段くらいのチェストが置かれている。開けてみると、服が、多分、カカナの子供の頃の服だろう、きちんとたたまれて入っている。
この部屋自体が、もしかしてカカナの部屋だったのかもしれない。
チェストとベッドの下に敷かれた柔らかな毛皮の敷物が、子供部屋らしい雰囲気を出している。よくよく見ると、敷物も犬か何か、動物の形を表しているようだ。

壁には大きな絵が三枚並ぶ。金色の派手な額縁に飾られたそれは、カカナのお母さんだろう、きれいな女の人の肖像画だ。
一枚は一人で、一枚は親子三人。真ん中の小さい男の子が、カカナだ。面影がある。クラフは、少しうらやましくなる。しばらく、見つめていた。
「それは、カカナじゃないんだよ」

驚いて振り向くと、ちょうど、木製のワゴンに食事の入った盆を乗せて、ブール候が入ってきたところだった。ライトグレーの上質のシャツに、深い藍色の裾の長いジャケット。肩掛けには金糸の刺繍。黒いブーツは大きくて、そこから視線を上に向けていくと、本当に大きな人なんだと実感する。小さめの頭とバランスの取れた体格。カカナより少し、背が高い。でも、セキアほどじゃないような気もする。
まっすぐな眉は表情を引き締めてみせる。

穏やかに笑っていても油断のない気がするのはそのせいだろうか。
クラフはさっきブール候が使った椅子を、カカナが勉強するのに使ったらしい机に寄せ、座って、男がそこにトレーを乗せるのをおとなしく見ていた。
暖かいミルクがカップに注がれる。白くて、甘い匂い。蜂蜜を入れてくれたようだ。

「ありがと。あの、カカナじゃないって、じゃあ、それ誰?」
クラフはミルクをふうふう冷ましながら、壁際に立って絵を見つめる男に声をかけた。
「カカナの、そうだな、生きていれば兄になったろう」
「カカナは?」
「このときは、ほら、このお腹の中だ」
そういって、ブール候はお母さんのお腹の辺りを指差した。
見つめる視線はやさしげで、カカナにとってはいいお父さんなんだろうと、クラフは目を細めた。

ミルクの甘みが喉を温め、ほっと一つ息をついて、クラフは鶏肉のローストに手を伸ばす。薄く切られたパンにちぎった肉をはさむと、それを持って、ブール候の隣に立った。
「!おや、なんだ、座って食べればいいじゃないか」
すでにクラフは即席のサンドウィッチにかぶりついている。

「死んじゃったんだ、お兄さんも病気だったのか?」
「ああ、そうだ。同じ病だ」
「カカナは?カカナも病気?」
右手に持つカップを口に運びながら、クラフは行儀悪く口をもごもごさせながらたずねる。
「ん、カカナは、今は大丈夫だろう」
「今は?」
「それより。クラフ、君はセキアに何もしつけられていないのかね」
厳しい表情になる男に、思わず一歩後ろに下がって、それでもクラフはもう一口、パンをかじる。

「あのさ、なんでオレをここに連れてきたんだ?セキアは?オレ、監禁されているのか?さっき保護って言っていたけど、何から保護してるんだ?」
ブール候は黙った。
口を閉じると、その表情には異様な威圧感がある。
クラフはもう一歩、下がった。
最後の一かけを口に突っ込んで、ミルクで流し込んだ。
「聞きたいのかな?」
「……普通、そうだろ。きっとセキアも心配してるし。オレ、カカナとも約束あるし」
そう、カカナとピーシに作ったデンワを、今日渡すつもりだった。研究室におきっぱなしになっている。一瞬、昨夜の、あの三人の騎士のことを思い出した。
腕の痛みとともに、不安が膨らんでくる。
「あの、オレ、帰りたい。セキアに会いたい」

「だめだね」
「なんで?オレのために保護してくれたんだろ?オレがしたいって言ったら、そうしてくれるんじゃないの?」
「君には仕事をしてもらいたいんだ」
「……なんの?」
「空を飛ぶ機械、飛行機を、造ったそうだね。一月で何台作れるものなのかね?材料はいくらでもそろえよう、手伝いが必要なら人手も用意しよう」

クラフは、カップを両手で胸のあたりに抱えて、もう二歩、下がる。足が、ベッドに当たった。
「何に、使うんだ?」
「ほら、君はハナビとやらも、作ったね」
「!……武器は、作らないぞ、飛行機も、だめ」
にらみつけた。
「ふ、そのうち、気も変わるだろう」
不意に笑って、ブール候は組んでいた腕を離した。クラフはピクリとおびえる。
男はつかつかと机に向かって歩き、トレーを持ってワゴンに乗せる。そのまま、ワゴンを押して出て行った。
何も言わず。

クラフはため息とともに、ベッドに座り込んだ。
誘拐、されたのか?

<<クラフ君がんばれ!のポチお願いします!(><)>>

 続きはこちら!(^^)
「宙の発明家」第二章二.父親②

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ミナモさん♪

いいえ~!ありがとうございます!
いろいろと、クラフ君は巻き込まれてきますが…
父と子、オトナと子供。そういう関係性が大好きで♪
楽しんでいただけると嬉しいです~。
カカナとセキアさんの行動、これからカギになって行きます♪

そっかぁ。

らんららさん。ごめんなさいね(汗)

夕べは、なぜかこっちが見つけられずに、戯言を…(笑)

あ、やっぱり私は、携帯小説よりも、こっちの方が読みやすいな♪

あ~。ドキドキします。
クラフはどうなっちゃうの??
色んな人の思惑の渦中にいる、クラフの身がとっても心配…。

でもどこかで、クラフなら大丈夫って、思ってる自分もいたりして。

カカナもショックだよね。
う~。続きを読むぞ~~~!!!

ホーリ先生

ホーリ先生、こんな遅い時間にありがとうございます!
いつも、遅い時間だけど、大丈夫ですか?
忙しいんですね(^^)
ふふ、そうなんです。
ブール候でした。
クラフ君、がんばってもらえるといいんですが…。
続きはお楽しみってことで。

待ってましたぁ!
遂に続きの始まりですね。
成るほど!カカナのおやじさんに誘拐されたのか!
これからがクラフ君の悪知恵と力の見せ所だなっ!
さて、どんな事をやらかすんだろう・・・?
楽しみです。

kazuさん(^^)

ありがとうございます!
カカナ君どうするんでしょうか?
ふふ。
そこはお楽しみというところで(^^)
タイトル「父親」って章ですからね、それなりに、親子対決してもらいます!!

おはようございます♪
クラフ君を連れ去ったのは、ブール候だったのですか!!
カカナ君、知ったらショックを受けそうです・・・。
お母さんとお兄さんがかかってしまった病気。カカナ君は今は大丈夫って・・・、この先は・・・?
ブール候、この先は??
詰め寄りたい気分です。
飛行機と花火、・・・・武器にするつもりなのでしょうか・・・。
なんだか悪い人に見えない、ブール候。
続き楽しみにしています♪
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らんらら

Author:らんらら
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