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「宙の発明家」第三章三.檻の中の狼④

らんららです!カーチスさん大人気?いい男ぶり、発揮となるかしら…?

●檻の中の狼4

クラフが目覚めたとき、カーチスはまだ、そこにいた。
「おはよ、お前、気分はどうだ?」
カーチスはベッドの脇に座って、切れ長の瞳で、ニコニコ笑っていた。
クラフは黙って寝返りを打つ。手の甲につけられた点滴に気づいてはがそうとした。それをカーチスに止められた。

「な、お前やりたいことあるんだろ?向こうでもお前、ずっとがんばってきただろ?言っていたよな、こっちに帰るために飛行機を作ったって」
「…」
クラフは黙っている。
「お前、こんなやせていてさ、体力もなくて。それで、どうやって目的果たすんだよ」
クラフの表情が険しくなる。

「お前頭いいんだからさ、もっと冷静になれよ。ローザにつられて、二人して感情的になっていたって、何の解決にもならないだろう?」
穏やかに笑う青年。
クラフは一瞬何か言いたそうに口を開き、また、閉じた。

「目的を果たすために必要なことをさ、身につけろよ。時間かかったっていいじゃないか。十年待ったんだぜ?今数週間を待てずに、死んでもいいなんて自分を追い詰めることないだろ。
昨日、あれ、ほら、電話みたいなやつ、かかってきたぜ。通話方法が分からなくて会話は成立しなかったけどな、あのセキアって男、お前のこと、心配していた」

「あせって、命を粗末にしたら、あいつにも会えなくなるだろう?」
少年の瞳が涙目になっていることに気づいて、カーチスは頭をぐりぐりとなでた。
「とにかく、お前は自分の何が有効な武器になるかを考えるんだ。お前の持っている向こうの世界の知識。
あの電話なんか、軍部が目をむいて興味を持つような代物なんだ。相手の様子を見て、戦略を練る。上手く取引して自分のむけたい方向に変えるんだ。
そして、行動するに足る体力や技術を身につける。
拗ねてる暇なんてないだろう?俺も少しは手助けしてやれる。
な、オトナになれ」
「…」
「クラフ?」

少年は何も言わず、毛布で顔を覆った。
ベッドの上で、ひざを丸め、小さくなって。
肩が震えている。

ローザではないが、子供に見えた。
小さな子供が、怯えて震えているように見えた。
「…泣きたいなら、泣けばいいだろ」
クラフは首を横に振った。
「オトナのオトコは泣かない」
「意地っ張りだな」
しっかり涙声になっているくせにと、カーチスは目を細めた。
「…オトナに、なれって、あんたが言ったんだ!」
顔を上げるとそれは、とどまることが出来ずに、頬を流れ伝う。
「…ばか」
カーチスはため息をついた。ベッドに腰掛けて、肩を叩いてやる。
「簡単に言うとな。心配かけるな、俺は、お前の味方だって、そういうことだ」
クラフがしがみ付いてきた。
「甘えん坊だな、お前」
「そう育った…」
セキアのせいだ、と、それは声にならなかった。

彼のことを思い浮かべるたび、つらくなった。
だから、セキアとは話したくなかった。
声を聞けば、きっと、こらえられなくなる。
どれほど頼りきっていたのか、セキアに会えなくなって痛感していた。
覚悟はしていたものの予想以上に、何も出来ない。何の力もない。


青年は気の済むまで、泣かせておくことにした。
カーチスに兄弟はいないが、弟がいたらこんな感じなのだろうと思わせた。
十年間、一人ぼっちだった。そして、やっと、両親のいるこの世界に戻ってきた。
それなのに望むものは何一つ、クラフには与えられていないことが、カーチスの胸を苦しくさせた。
ごく、普通の少年なら、当然そこにあるべきものが。


どれくらい、泣いていたのか。
すでに深夜であることは間違いないが、テレビどころか、時計すら置かれていないこの部屋では、確認することは出来なかった。
こんなところに、一週間いたら、俺なら精神を病んでるな。カーチスがそんなことを考え、クラフの頭に手をのせた。クラフは先ほどからじっとしていた。
静寂が、続いていた。眠ってしまったのかもしれない、とカーチスが思い始めた頃、ふいに、クラフが顔を上げた。

それから、恥ずかしそうにくしゃくしゃになった前髪を手で調えて、何度か瞬きすると、笑った。青年から離れて、しゃんと姿勢を正す。
「も、大丈夫。落ち着いた…」

「そうか。あのさ。俺からプレゼントやるよ」
「え?」
カーチスは悪戯っぽく笑った。
「三日後はクリスマスイヴなんだぜ」
「…」
「俺とローザのデートに、お前を連れて行ってやる。ディズニーワールド、行きたいんだろ?」
クラフは再び青年に抱きついた。

夢の国1へ続く♪

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ユミさん

ありがとです!
PC、それすらクラフくんにはないですね…いずれ、手に入れると思いますよ。なんとかしてね(^^)
せっかくのディズニーだもん、楽しんでもらいます!ああ!行きたいー!!
資料見ながら、ついつい、自分が夢中になってしまいましたよ!!フロリダ!行きたい!!

いい~

良かった~。カーチスさんの口から「味方」って言葉が聞けて!
クラフくんのこと、ホントにかわいいんだね~。
わたしも、時計もテレビもない部屋で自由にできない環境にいたら
精神病みます。
でも、PCあったら、まだマシかな^^;

「大人になる」って難しいですよね。クラフくんは、ここで
精神的に鍛えられて、一回り大きくなるのかなー。
期待してます♪

カーチス&ローザ&クラフくんのデート。
この日は、何にもなく、いい一日でありますように!!

コメントアリがトー!

楓さん
忠告!?どきどき。そうかも?いや、そんな、悲しいことにはさせませんよ!
多分。カーチスさんはとってもバランスの取れた人って言う設定。ごくごく、普通の。どこかのマー様みたいに美しくも鋭くも切なくもないのだけど、クラフくんにはちょうど必要な人です(^^)いや、これでここにマー様来られても、ねぇ、らんらら嬉しくてもクラフくん怖がるかも。
ああ、マー様。
すっかりマー様のことばかり考えてますよ。

kazuさん
ありがとう!!
次回から楽しくディズニーワールド!!久々にクラフくん、自由!!です!うっれしい!!
ああ、らんららも行きたい!!

chachaさん
へへ、クラフくんの気持ち、分かってくれて。嬉しい(^^)
実は、こんな風に、素直に泣けたのって、多分初めて。セキアさんに知られたらきっと、嫉妬しちゃいますね!
しかも、ディズニーワールドにまで連れて行ってくれて!もう、くーちゃん、セキアさんのことすっかり忘れるかも…?

カーチス!!

大人気も大人気ですよ!カーチスさん!!^^
今回の話でますます好感度UPです☆

カーチスさん、いいトコ突いてますね。さすが大人だ^^
クラフのやってること、意地になってること、ちゃんとダメだぞって言ってくれて。
体のことも心配してくれてるし、クラフのことをわかった上でのアドバイス。
かっこいいです!^^
クラフも心を開いたかな?
こっちでも心を許せる人が居ないと、壊れちゃいますからね><

セキアと話さない理由・・・わかります;;
せっかく我慢してるのに、ここでセキアの声を聞いたら、話をしてしまったら・・・
一気に想いが溢れちゃいますよね。
だから、話さない。
クラフらしいなぁ^^

次回はディズニーワールド!!?
カーチスさん最高!!><
クラフの笑顔が目に見えますよ☆
でも、あんまりデートの邪魔はしないようにね(笑)

クラフ君に、プレゼント!

ですね。
カーチスさんとローザさんのデートに、クラフ君をつれて言ってくれる。
ディズニーワールドへ。
この世界に返ってきて、一番の幸せなのではないでしょうか。
ほんと、カーチスさんていい人です。
そしてやっぱり・・・。セキア様の声を聞きたくなかったのは、そういうわけだったのですね。
がまんしてがまんして・・・ずっと耐えてるのに、セキア様の声をきいてしまったら、耐えられなくなってしまう。
寂しさに、耐えられなくなって・・・・。
クラフ君、辛い中頑張ってるなぁ・・・手、ホントに思います。
せめて、幸せな時をディズニーで過ごして欲しい・・・・

かーちす!!

ああ、最近かーちすのことしか頭にない楓です。←やばい人?笑
この人いい人ですねー。
いやほんと、底抜けにいい人ですね。
でもだからこそ忠告したいです。
かーちす。
クラフ君に深入りして感情的になると、もしかしたらあなたの身に危険が迫るかもしれないですよ!!
・・・
なーんちて☆
でもね、もしクラフ君が銃を向けられたとき、かーちすなら銃の前に立ちふさがってくれそうな予感がするんですよ。だから、忠告。
でもでも、
にしてもいーヤツ♪
クライフ、ではなく、クラフと呼んでくれた、そんなかーちすが大好き☆☆!!
そんな彼の助言も的を得ていて、さすがのクラフ君もここは素直に引き下がるしかない・・・そんな感じでしたね。来るべき時のために万全を付くし、ベストの状態でその時を待て・・・まるで孫子!!
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