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「宙の発明家」第三章四.夢の国③

らんららです!
一週間もお休みをいただいちゃいました!でも本当に、もらってよかった…かなり忙しい状態でした。三日続いた歓送迎会、最終の日曜日は午前2時過ぎまで語り合って、濃い内容、つらい二日酔いの週末でした(^^;)



間が空いたので。前回までのあらすじ♪
地上に戻ったクラフくん。でも自由なんか一個もなくて。閉じ込められて、ふてくされて。
そんな時、唯一味方のカーチスさんにクリスマスプレゼントをもらいます!それは夢の国。10年ぶりのディズニーワールド、楽しんでいるのです!


「な?カーチスじゃなきゃダメだろ?オンナは足手まといなんだ!」
「お前、そういう奴か」
「何が」
「さんざんローザに甘えたくせに、俺もガキの真似しようかなぁ!」
「あ!ミッキーだ!!」

少し離れたターキーレッグのワゴンの脇で、キャラクターグリーティングが始まったことに気付いて、クラフは駆け出す。
「…ごまかしやがって」

●夢の国3

あきれつつも、面白そうに笑ったまま、カーチスはそれを眺める。クラフはこちらを見て手を振るドナルドをフットボールよろしくさらっとかわすと、後ろにいたミッキーマウスに抱きつく。両手を天に挙げてちょっと怒ったドナルドにサングラスを外されそうになって慌てる。
彼らはとてもフレンドリーだ。
「どうせ、女は足手まといですからね。あら、あれ大丈夫なの?」



いつの間にか背後にいたローザに、一瞬ぎくりとしながら、カーチスは笑った。
「いいだろ、あいつが近寄ったからいけない」
「ぎゃー」
サングラスを押さえて逃げ回り、クラフがドナルドの大きなおしりに反撃のタックルを仕掛けると、くるりとかわされて、転んだ。
「バカだな」
「…子供ね」
ローザの表情が緩んでいるのに気付いて、カーチスはそっと肩に手を回す。
一瞬、カーチスを見上げるが、女性は何も言わず、再び向こうで走り回る少年を眺めていた。クラフはなぜかキャラクターたちに囲まれて、ちょっかいを出される。
いつの間にか、人の輪が囲んでいた。
それがまた、少年が派手な反応を示すので、それを見ている子供も大人も笑った。キャラクターたちも楽しんでいるかのようだ。
クラフが自分よりかなり背の高いミニーマウスの背後に隠れると、ミニーはミッキーから庇って見せた。
「サンキュー!大好き!」
クラフはミニーの手を取って、いつもミッキーがやるように手の甲に気障なキスをする。隣で驚いたように両手を挙げるミッキーにウインクして、人の輪を潜り抜けてこちらに駆けてきた。
背後では照れた様子のミニーに、腰に手を当ててぷんとしているミッキーマウス。周りの子供たちやそれに付き添う大人が笑った。
「はあ、あー!面白かった!」
「どっちかっていうと、遊ばれてたぜ、お前」
「違うよ!」
「ふふふ、ほら、見て、ミッキーが呼んでいるわよ」
振り向けば、ミッキーマウスがおいでおいでをしている。その手にはターキーレッグだ。
「!くれるのかな!」
再び駆け出すクラフを見送って、二人はそばのベンチに座る。
「ああしてみていると、可愛らしいのに」
ポツリとローザが言った。
「子供だよ、まだ」
クラフは背の高いミッキーマウスに、高く持ち上げられたターキーレッグと取ろうと、ぴょんぴょんと飛び跳ねている。周りはすっかり人だかりで、ただでさえ人気のグリーティングは大盛況のようだ。

「まだ、クライフのこと怒っているのかい?まさか、本当に嫌っているわけじゃないだろう?」
傍らの背の高い青年を見上げて、ローザは視線を正面に戻した。
「そう、ね」
少し淋しげな表情に、カーチスは目を細めた。
「何か、理由があるのかい?」
ローザは、こちらを見ない。
機嫌を損ねたように感じ、カーチスは話題を変えた。
「あれ!あいつ、何処に行ったんだ!」
「ふふ、あっちに行ったわ。ほら、あのアトラクションじゃないかしら」
そちらを振り向いたローザの目の前に、ミッキーマウス。
「あら」
ミッキーにぎゅっと歓迎のハグを受けて、ローザは目を丸くした。
「だめだぜ、それ!」
ローザを取り戻そうとするカーチスに、ミッキーが驚いた仕草をした。
ローザは楽しそうに笑った。いつもの白衣ではなく、今日は真っ白なフードのついたダウンコートを羽織って、それが黒くつややかな髪を際立たせて綺麗だ。クラフが何で今日も白なんだ?と問いかけたときには、カーチスも思わず大きく頷いたが、こうして笑顔の彼女を見られることに十分満足していた。
キャラクターたちに手を振って、離れると、カーチスは見回した。
「あ、あいつどこなんだ。携帯電話でも持たせておくんだったな」
「え?持たせてないの?」
驚くローザに、カーチスは頭をかいた。
「いや、まあ」
「呆れた、中尉って、案外適当なんですね。急ぎましょ。あっちに行ったわ。迷子になったら大変だわ」


クラフはフードつきの黒いハーフコートにジーンズという、どちらかというと地味な服装で、人並みにまぎれてしまえば分からなくなる。クラフは、振り返って、二人が見えないことを確認すると駆け出した。緩やかな坂道を進んだ右手。小さなベルと赤いリボンを付けられた低い生垣の向こう。人気アトラクションの「テストトラック」には、長い人の列があった。

クラフは一人で列に並んでいた。
隣の行列には家族連れやグループなのか、集団がさらに数倍の列を作っている。幾重にも折り曲がったそれを無視するかのような、ゲートからまっすぐに伸びた列にクラフは並んでいた。
「テストトラック」はその名の通り、車の試作車をテストドライブするというアトラクションだ。耐寒耐熱、スピードテスト、ブレーキテスト。スピードテストでは最高時速98キロが体感できる。ライドでむき出しの状態の98キロはなかなかの迫力だ。クラフはカーチスたちを引き離して、一人で乗ろうと画策していた。
というのも、このエプコット内で最も人気の高いこのアトラクションは二時間待ちのときもある。一人で空いた席に乗るという「シングルライダー」として並んでいれば待たなくても入れる。それを承知で、一人先にたどり着くと、さっさとその列に並ぶ。
「おい、クライフ!お前、だめだぞ!一人で乗るなんて」
追いついたカーチスが、列の横から声をかけた。
「いやだ!ボク、一人で乗るんだ、だめだよカーチス、並ぶなら一番後ろ!」

夢の国④へ続く♪


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ユミさん

コメありがとう!
ふふ。クラフくん、無理してる…というか。いろいろ考えているようです。
ローザさんの理由。クラフの理由。
お互いに隠しているから、素直になれないのかも…。

ローザさん…

なんだか切なそうですね~。
前までだと、「大人気ないよ~、ローザ」なんて思って
いたんですけど…。「わけあり」なんですね。
最近ちょっと深読みしすぎて、自分の中で関係図を作成
してたりして^^

クラフくんとミッキー&ミニーの場面、目に浮かびます♪
楽しそう!!楽しそうなんだけど、ちょっと心配なんですよね。
行動が落ち着かなくて…。
無理してないかな~?
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