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「宙の発明家」第三章九.天才は永遠に①

●天才は永遠に1

「なんだ?文句でもあるのか?あれは私の子だ、私が誰にやろうとお前には関係ない」
ふと、オクトは眉を歪めた。
「ふん、それとも、喜んでいるのか?」
デアマンは黙ったままだ。



「相変わらず、何も言わないのだな!ああ!そうか!お前なんだな、そうだ!」
オクトは身をひるがえして、自分のデスクに向かうと、鍵のかかった引き出しから、何かを取り出した。
四角い、葉書大の小さな機械。そして、拳銃。
「!」デアマンは一瞬、自分のデスクの引き出しを見やる。
「やはりお前か!データを、盗んでどうするつもりだったんだ?ええ?」
オクトの手には、銃が握られていた。
「博士…」
黒いそれに狙いを定められながら、デアマンは丸い鼻の上に汗をかいていた。
「ほお、お前でもそんな顔するんだな。言え、おおかた研究データを手土産に、どこかに亡命でもするつもりだったんだろう!お前の考えそうなことだ!卑怯者め!」
銃口を額にぐりぐりと押し当てられ、デアマンは口をへの字に結んだ。
「言わないのか?ああ?撃てないとでも思うのか?くく、私は自分の子供すら殺せるのだぞ」
「…もう、クライフに手出しはさせない」
「は!お前に私をけなす権利があるのか!?ああ?ほら、言え!どこの国だ!どの組織だ?」
銃身でデアマンのこめかみを殴りつけた。
太っているとはいえデアマンは背の低い小柄な男だ。イスごと転がった。
頭を手で押さえながら、なんとか体を起こそうとする。彼の脇で倒れたイスが足を向けている。
オクトが伸ばした手の先を見て、デアマンは慌てて止めようとしたが遅かった。
デアマンの黒い携帯電話。
イスから転げ落ちた時に白衣のポケットから転がり出たのだ。
「!博士!」
立ち上がろうとするデアマンに、再び銃を突きつける。
「言うことを聞け。でなければ、片腕から、順に撃ち抜いていくぞ。両腕両足、最後に額で5発。残り1発であの生意気なガキを殺す」
「貴様!!」
デアマンが銃を持つオクトの腕に掴みかかった。
白衣の裾が揺れる。
やせたオクトの手首を、丸い手が懸命に抑える。
「放せ、デアマン!」
シュ。
小さな音がした。
もみ合う反動で引き金が引かれた。
サイレンサー付きの銃だ。音より硝煙の匂いが先に状況を理解させる。デアマンが、左肩を押さえてくずれた。
一瞬、青ざめた顔で、オクトは一歩離れた。
「ふん。つまらん、どこまでも意気地のない奴だな」
デアマンが気絶していることに気付き、オクトの表情は冷静さを取り戻した。助手の腹を、靴のつま先で蹴り上げるとつばを吐いた。



クラフたち三人は部屋の小さなテーブルに所狭しとご馳走を並べ、夜遅くまで騒いだ。
一番最初に眠り込んだのはワインを飲みすぎたカーチスだった。
「もう、仕方ないわね!」
「だめだなぁ!まだ二時前なのに」
「クライフ君もそろそろ寝たほうがいいわよ。明日、起きられないと困るでしょ」
「大丈夫、ボク、昼間はサングラスしてるから、寝ていても分からないよ」
「なあにそれ、ずるいわね」
笑いながらローザが青年を揺り起こしクラフも運ぶのを手伝った。そのうち目が覚めて青年はよたよたしながらも自力で歩く。
廊下を三人で進みながらクラフは言った。
「あの、ローザ、カーチス、本当にボク、二人に会えてよかった。二人がいなかったら、きっと…」
「やあね、しんみりしないの!私はずっと、あなたの主治医なんだから。一生なのよ?嫌でも変われないんだからね。何しろ、ここのは、私の作品なんだから」
そういって、ローザはクラフの胸の真ん中をつついた。
初めてローザに出会ったときのことを、クラフは思い出す。
「ん、だぁ?そうだぜお前、偉くなったって友達は友達だ。俺だってお前がいなかったら、ローザと婚約なんて無理だったかも知れねえ」
「そうよ、感謝しているのよ」
「うん」
警備員のビイに二人は挨拶し、帰って行った。
二人の乗る車がゲートを出てからも、クラフは見送っていた。
夜の冷たい空気を胸いっぱい吸い込んで、クラフは空を見上げる。
星が瞬く。
あのどこかに宙がある。
レポート書いて決着つけたら必ず帰るから。
そう心に誓う。
「おい、クライフ、早く入らねえと風邪引くぜ」
ビイに声をかけられ、少年はきびすを返す。
「ありがと」
建物の中に駆け戻った。
そうだ、セキアに報告しなきゃ。こっちで、とりあえずまともに生活できるようになるって。廊下を駆け抜け、自分の部屋の扉を開けた。
さっきまで、照明がついていたはずなのに、暗い。
明かりをつけようとスイッチのほうに手を伸ばす。同時に、暗闇の中に人影を認めた。
クラフは夜目が利く。

見覚えのある影。やせた白衣の背、閉じられた窓の前に立って、こちらを見ている。
スイッチからそっと手を離し、そのまま扉を閉じた。
室内は真っ暗になる。
それでも、クラフには相手の位置が見えていた。
「…あの…」
数歩近づきかけて、何を話すべきか迷って止まった。
父親があれほどイライラしていた理由を、クラフは分かっていた。憎まれつつ、それでも愛されていたのだとそう思った。だからあんなふうに怒鳴ったのだ。
「クライフ、こっちにおいで」

天才は永遠に②へ続く♪
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コメントありがとうございます!!

楓さん

おお!?ばれました?感のいい皆さんならうすうす気付いていたりするかもと、ドキドキしていますよー!多分、そうです。当ってます!!オメデトウ!!v-308
そうです。それならつながる。
というか、それしかない…(笑)
楓さんの予想、当っていたかどうか。ふふふー(^^)ご期待ください!

おお!桜さん!
お忙しいのに、ありがとう!!嬉しい♪
さすがにお仕事もお休み取れました?連休ですからね~v-407
5月5日にエンディングの予定です!楽しみにしていただけると嬉しいですよー!!

ユミさん
気を抜かないで!!本当に!!
と思いつつ、ブラックににやりと…
おっと。あまり話してはいけませんね!
デアマンさん。ユミさんの予想通りだといいのですがv-392
あと少しですべてに決着!観ていてやってください♪

こんばんは☆

おぉっ、デアマン、クラフに手出しをさせないってことは、
クラフくんの味方?って思っちゃったわたしは単純かな…。
オクトは、本当に嫌な感じ!!全部自分の思い通りに動かそう
とするのって、酷い!!クラフくんが自分の手中から離れたのに、
それを悲しもうともせず、殺せるなんて!!

暗闇で待っていたオクト、優しい言葉なんかじゃ、絶対ないよね。
クラフくん、気を抜かないで…。

まだオクトは改心してないぞ、悪い人なんだ説を取って、
クラフ~近づいちゃダメだよ~!!

そしてデアマンの立ち位置が掴めません…。
やつはどっちだー…。

まだまだハラハラドキドキが続きますね☆
ラストまで気が抜けません♪
らんららさん、更新を楽しみにしていますv

もしや・・・

と言う思いがよぎりました。
そうか、それなら全てに合点がいく・・・
でも何故そんなことになったのか・・・
いや、その前に果たして僕の推測が当たっているかどうかが問題なのですが、たぶん当たっているようなきがします。
うおおお、そうなのか??
そうなのですか?
らんららさん?
ちょっと・・・
ちょっとこれはどきどきですっ!!
うわわわわっ!!
ドキドキしながら続きを待つですっ!!

ふふふコメント嬉しいです♪

エンディングが近いとコメ返しにドキドキが伴います!!言いたい!でも言っちゃダメ!!ってことで。
セキアさんに交代してもらいます!

kazuさん
いつもありがとうございます。
私もいつ、クラフさまが連絡くださるかと常にドキドキしながら、読んでいます(?)
父親らしい言葉、いえ、ありえませんよ!改心?無理です!!絶対に!
私は認めません!
クラフさまがコレだけ苦しめられてきたのですから!オクト氏には、鉄槌が下ることを祈っているのです!(…聖職者じゃなかった?)
早く、クラフさまの部屋から出て行ってほしいです!デアマン氏。うむ、私も怪しいと思いますが。迎えに来たときは、まあ、影の薄い人でしたからね。印象がないですね。
いい人、なら、クラフさまを宙に置いていったりはしないはずです!
kazuさん、気を許してはいけません!ちゃんと見張っていなくては!
byセキア

(…やっぱりセキアにやらせたらよくないかもしれない…byらんらら)

いえ、やります!!
出番がなくて言いたいことはたくさんあるんですから!!

(だから、コメントへのお返事だってば!byらんらら)

もちろん、分かっていますよ!皆さんがたくさん心配して応援してくださるのに、ブラックならんららさんは、ろくなことしてきませんでした!
私は皆さんに大いに賛成なのです!

chachaさん
う、嬉しい!v-406そうです!クラフさまに何かしたら許しません!!すでに、オクトがクラフさまの父親って言う時点で許しがたいのに!(え!?)
デアマンも怪しい!とにかく、クラフさまには早く宙に帰ってほしい!
そうです!迎えに行かなくては!
このぱそこんなるもののそばから離れるのは、とても気になるのですが!!
chachaさん見張っていてください!(おい!?)
私はとにかくいつでもお迎えに上がれるよう、準備しなくては!!
byセキア

(…思った以上に、うっとうしいコメ返しですね…解任v-389byブラックらんらら)

怖いです・・・

デアマンとオクトの取っ組み合い、もぉハラハラでした><
もしかしたらどっちかが命落としちゃうんじゃないかって・・・
デアマン、ここまできてもやっぱり敵か味方かわからないですね@@;
むむむ・・・彼の今後の行動が気になる所です。

ででで
ローザとカーチスを見送った後部屋に戻ったクラフを待っていたのは・・・オクト!?
さっきデアマンに「残り1発であの生意気なガキを殺す」って言ってたから・・・
怖いです!めっちゃ怖いです!!><
大丈夫かな?でも、夜目が利くクラフ、もし何かあったとしても暗闇なら逃げられるよね!?

オクト、クラフに何かしたら・・・許さないぞ!!(怒)

むむっ?

オクト・・・改心説??
「クライフ、こっちにおいで」
何か始めて、父親らしい言葉を聞いたような気がします。

デアマンさん、一体、どんな立場の人なんだろう・・・。
クラフくんに手出しはさせない・・・・
いいほうの人なのか、それとも、違う組織と渡りをつけているのか・・・。
肩を打ち抜かれて気絶してしまった、デアマンさん。
デアマンさんに言った、残り1発で生意気なガキを殺す、というオクトの言葉。
もう、ホント最後が近づいてきたなぁとドキドキしながら、みんなの心の中を見たい!とじりじりしてます。
でも、セキアさまに報告しなきゃ!と、クラフ君が思ったこと。うふふ^^えへへ^^
嬉しい☆
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