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「想うものの欠片」第三話 ⑦

raitoormap.jpg

地図は…だんだん直します~(><)へたくそだなぁ!




小さな町でその夜は宿を取ることになった。


そこは旧聖堂のあったライト公領北部から、西にある田舎町。ナトレオスといった。

目指す場所も目的も知らされていないタースは、持たされた地図を見ながら、予想してみる。
ティエンザ王国に向かうと言っていた。

ライトール公国と、アバスカレズ川を隔てて西に隣接するティエンザまでは、鉄道を利用すれば丸一日で国境線までたどり着く。
しかし、ライト公領北部を西に向かって細い森の道を抜ける今のルートはどう考えても遠回りに思えた。

旧聖堂のある村からまっすぐ南下して、タースのいたライト公領中枢の駅からまっすぐ西に向かうトラム・ミスに沿って馬車を走らせるのが早いはずだ。

ライト公領からティエンザ王国に向かうには、結局、国境となっているアバスカレズ川にかかる唯一の橋、キョウ・カレズを渡る必要がある。

その大きな橋は、トラム・ミスの西端の駅モテノから、さらに少し南下したところにある。川の真ん中に国境を守る検問所があり、厳しい審査を経ないと通れない。

不法入国するには、上流の険しい崖の下の川を渡り、渓谷沿いに長い時間河原を進まなくてはならない。あるいは危険を承知で崖を登るかだ。

かつて、挑戦しようとして、タースはあきらめたことがあった。崖から降りることは出来たが、川の流れが速く、下流に押し流されながら渡りきろうとしたときには、向こう岸に点々と立つティエンザの国境警備兵が銃を構えて立っていた。

嫌な、思い出が浮かぶ。
結局、このライトール公国を出たことは一度もなかった。


「どこか、行きたいところでもあるのですか」
珍しく、シーガが声をかけてきた。

宿の受付で部屋を取る間、少年は狭いロビーの脇の椅子で座って待っていた。
受付のカウンターに背を向けるように置かれている二人掛けの木製のベンチにタースは座っていた。地図を眺めながら難しい顔をしている。
青年の声に顔を上げると、いつの間にか隣にミキーが隣に座り寄り添っているのに気付いた。

「ううん、あの、どこに行くんだ?いずれ、橋を渡るんだよね?随分遠回りな気がする。このまま西に行って川沿いに南に下るの?途中のウルルカの街やカヌイエの街を経由したほうが道も広いし、店も多いし、そっちのほうがいいんじゃないの?」

向かいのベンチに足を組んで座るシーガをまっすぐ見つめて、タースは地図を示した。
ライト公領から西に向かう経路だ。その先に橋がある。

彼らはそれよりずっと北よりに西へ進んでいた。一見短く見える道も、実際は山岳地帯に阻まれて、かなり険しい山道になる。

傍らのミキーがタースの腕にそっと手を添える。
少女の白い指が温かくも冷たくもなく感じられた。目を細めて、タースは右腕でミキーの肩に手を回した。

「!」

一瞬、眉をしかめたシーガと対照的に、少女は嬉しそうにタースの胸に頭を預けた。甘えている。嬉しそうに笑った。

タースはミキーを見つめた。
人間でない、と聞いてから、逆にタースは気持ちが固まった。おかしなことだが。

そんなことで気持ちは変わらないという、無謀とも言える勢いが彼の行動を支えている。恋愛感情がない、誰にでも甘える。それは分かっている。
だったら、自分の傍から離さなければいいんだ。熱が出たって平気だ。ミキーが、もし、嫌なら別だけれど。


「では。お前の希望通り、都会を進みましょう」
「なんだ?随分簡単だね」

こちらを通る意味があったのではと思っていたので、タースは拍子抜けした。道を選ぶ理由を知れば、旅の目的やシーガの考えていることが少しでも分かる、そう思ったのにそれも、当てが外れた。
あくまでも、説明不要、という態度だ。

自分が、くっついているだけの荷物であることは承知している。承知はしているが、気分のいいものじゃない。

「別に、深い意味はありません」
「あの、何処に向かってるんだ?あの、目的とかさ」
「お前には関係ありません」
「……知ってれば協力できることだって、あるかもしれないし」
「不要ですから。さ、部屋に行きましょう。ミキー」
シーガは無表情のまま、ミキーの手を引いた。

二人に引っ張られるような形になって、ミキーは左にいるタース、右に立つシーガを見比べた。

「あの……」
「タース、お前は一人で、ほらそこの部屋です」
シーガは視線だけで一階の廊下の先を示して見せた。
「……あ、そう」
タースはそれでもミキーの肩に置いた手を放そうとしない。
にらみ合う。

ミキーが三回左右に首をかしげる間、二人の表情は徐々に厳しくなっていく。
タースが、口を開く。

「夕食まで、ミキーと話をしたいんだ、いいかな」
「お人形遊びですか?」
「!」
シーガの言葉にタースは掴みかかる。

「キャ!」
ミキーは両手で顔を覆った。



暴風警報発令中!!次回を待て!(笑)
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要さん♪

はい。タース君、二人の関係を知らないし、気になるところ。また、シーガ様もそれを分かっていてつつくから…。
食事!重要です♪らんらら個人的に食事風景描くの大好き♪食べてばかりいるからでしょうか(笑)

ミキーさんとシーガさんの仲の良さそうな雰囲気を見て、タースさんがシーガさんにちょっとした嫉妬心を抱いている様子が、この章から見ることが出来ました。この章でも、彼のミキーさんに対する想いの強さを感じる事が出来ると思いました。
そしてミキーさんと夕食まで話をする事にしたタースさん。
彼は果たして彼女に何を語るのか
次回の展開に期待します

ユミさん♪

ありがと~♪
ふふ、シーガ様の真意は…。
タース君突っ走ります!はい、ここは駆け落ちも視野に入れて彼は検討中!(笑)
とりあえずは、じゃれあってもらって♪
いずれ仲良しに…?なるかな?

なーんか

シーガ様ってば、大人気ない~~!
もしかして嫉妬なの…??

タースくんはいいねぇ☆
それでも好きっていう気持ち。なんだかいいなぁ。
反対されるほど燃え上がる恋みたいなv-238

それにしても、あっさりとタースくんの言う方向に行くことに
なりましたね~。どんな意味があるのでしょう??

花さん♪

鋭いあなたが好き♪
シーガ様…その真意は、実は…おっと、これはだんだんと~♪
タース君、いい子に仕上がってきています!
いないよねぇこんないい子!!

うふ。一途なタース君、正体に気付いてもやっぱりミキーちゃんが好きで…甘酸っぱいじゃないですかぁ!
と思って喜んでたら、シーガさんは嫉妬?している様子。ふふん。
それにしてもタース君の純粋さは、やっぱり人の心を動かす力を持ってますね!氷のシーガさんも少し氷解してきたようで…でもミキーちゃんを取られちゃ敵わない?はたまたタース君を遠回しに心配しているのかしら?
どっちにしろ、真っ直ぐ頑張れタース君!

コメントありがとうございます!

史間さん♪
ミキー争奪戦!!!プふ、一生懸命な青春突っ走り少年、史間さんも褒めてくれたっ♪
よかったぁ!
タース君、シーガ様の挑発に軽く乗っちゃいます♪
単純です♪
可愛い奴です。
ミキーもあんなだし♪このカップル、どう処理(?)してやろうかしら…うふふ。
今から腹黒に染まりつつあるらんららです♪


kazuさん♪
純情少年はからかうとこうなります!(笑)
シーガのいいところを汲み取るくらいの余裕はあるもののやっぱりバカといわれればムカッと来る。15歳ですから♪
シーガ様、これは嫉妬?
ふふふ。分かってないのかも?
ミキーちゃんになってみたいと、常々らんららは思っていますよ~(無謀^^;)


かいりさん♪
です!台風接近中ですから、そろそろ水を買い置きしなきゃ…です!
はい。タース君、ぶち切れてます(笑)
走ってます~素直ですから、性格が。
ちょんとつつくとぼーぼー燃えちゃうタイプ。
そこに油を注ぐシーガ様…その真意は?
ふふふ。


しろうそさん♪
すごものミキーちゃん可愛いっす!タース君、可愛いでしょ?突っ走りますから♪
スレイドにはいい配役、用意してみました♪第四話を待て!っってところでしょうか?
タース君、幸せになれるのはいつか!!はい、がんばりますよ、同士!
夏休みは違う顔が見られるかもですよね?ファイトだ♪

takagaさん♪
ぷふふふ!!
目を目を開けたまま~やりかねない!彼女なら♪なんていってもすごもの!(←この言い方すごくお気に入り♪)
笑えます!!いや~楽しんでいただけました?次回アクションに…なるか?

よし

アクションシーンはお任せ。


タースは掴みかかったと同時にチークダンスを狙った。
「やめなさい。タース」
「!な!!」
シーガの言葉に気を萎えさせた彼は、次にミキーの顔を注意深く観察する。
ミキーは寝ていた。目を開けたまま眠っていたのである。
あまりのショックに競技場で球蹴りに興じたくなったタースは第一話を懐かしんだ。
しかし、彼の登場は第二話からだった。


アクションシーンって難しいですよね。勉強しないとな。
(暴風で地図も変化するのですの)

タースくーん!!
もう…ミキーちゃんはミキーちゃんで相変わらずすごもので可愛らしいですが、何故か今回はタース君がものすごく可愛らしくみえてなりませんでしたー!
もー…皆可愛いっv
…スレイドさまー…
でてこなくてもあなたへの愛は…ッ
と、いらない宣言をしてしまうしろうそだったり。うん。私多分、年上好きですね。
タース君にも同士として、もう…可愛いし、とにかくお幸せになってくれれば・・・v

わわわぁ~!!

ホント!暴風警報発令ですね><;!!
タース君が意外と大胆でびっくりしました!!
でもこういうハラハラなら私的に大歓迎です♪♪(ぇ
ミキーちゃんはきっと自分が喧嘩(?)の中心にいること全然気付いてないですよね!
そこが可愛いvV
シーガ様ったらムキになっちゃってー!!クスクス~♪
続きすっごい楽しみにしています^^♪

うきゃ

タースくん、やるぅっ
うふふ、気持ちの固まった男の子の行動は、かっこいいですね♪
シーガ様とのあいだも解氷してきたように思いつつ・・・・
あれ、ミキーちゃんを挟んで、再び大勃発?(笑
シーガ様、ちょっと嫉妬してます・・・??
ミキーちゃん、罪作りな・・・(笑

続き楽しみにしてまする~☆

ふあああああ!!><

状況がかなりアレですが、
ミキー争奪戦ですかね、これはもう!(←
前回、ミキーの正体に気づいてしまったタース君、
でもミキーへの想いは変わらないって、素敵です♪
真っすぐな少年ですね!
ミキーはもう、かわいいし!

こちらこそ、一気読みでスミマセン~
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