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「想うものの欠片」第四話③

らんららです~!
先週末の旅行のツケで本日、たまった家事をこなしてます(><)明日は天気が怪しいから、土曜日の今日がんばります!!
日記にコメントいただいて、嬉しくなって掃除の途中でちょっと休憩♪あと少し、お掃除とワードローブの整理が終って、クリーニングを出しに行って、本屋さん寄ったら…ブログ徘徊だぁ~…遠い(TT)
読みに来てくださる方のために、とりあえず準備してある記事だけアップデス。




リュエル三世の隣に座っていた、ライトール公国でもっとも東に位置する領土を持つシスル候は深く考え込んだ様子から顔を挙げ、言った。

「現在、ティエンザの工業技術を輸入する例が後を絶たない。ティエンザは大規模な工場を作り、多くの人々がそこで働く。人も、金も、わが国の資産はことごとくティエンザに流れ、それをもとにティエンザは潤い、その工業技術はさらに進んだものとなる。これでは、わが国は内側から干からびていく」

大公は頷いた。
それは、既に数値として現れている。優秀な若者が新しい技術を求めて隣国へ渡る。多くの工場を林立させるティエンザでは、常に人材不足。
豊富な資金で新しい技術を次々と開発している。
この悪循環をどこかで断ち切らなくては、ライトール公国に未来はない。

シスル候は、話を続けた。

「なんとしても、ティエンザ王国に付け入る隙を与えてはいけません。ロロテス派は、残念ながら、わが国の主要都市に次々と新しい聖堂を建て、勢力を伸ばしています。ティエンザからの資金を利用しているとしか思えない。これ以上、ミーア派の評判が落ちるようでは困ります」

ムハジク候がそれに答えた。

「すでに、ティエンザからは何かしら、圧力があるのではありませんかな。国境に位置する我が領地では、そう言った噂を耳にする機会も多い」

議場内は再びざわめいた。
窓のステンドグラスの赤を透かして、まっすぐな光が大公の体を斜めに染める。額に受ける日の光が強く光る。
昼下がりの日差しなど気にしているものは一人もいない。
背にする者、正面から受ける者。
皆、大公閣下の言葉を待っている。

「……書簡は受け取っている。教会内では既に動きがある。大司祭任命の件はあくまでもわが国の問題だが、シモエ教区においてはそうも行くまい。ロロテス派がミーア派に代わって管理するという方向で動き出している。あくまで教会内で決まったことだ。それに伴って、同じくシモエ教区に国境を隣接するティエンザも保護施設への援助を教会に申し出ている」

「お受けになるのか」

大公は顎をなでた。
「ティエンザはあくまでわが国ではなく、教会に申し出たのだ。シモエ教区はどの国にも属さない教会固有の土地。わが国が反対したところで翻るものでもない。ティエンザよりの書簡は、結果を通達するものだ。もとより、わが国の意向を伺う構えなどない」

ざわめきはひそひそと、六角形の机をめぐる。

「ロロテス派台頭の要因に、例の混血児の存在があるのかは不明。よって、我が国がそれに関して口を挟む余地はない。しかし、混血児の存在を公表することはやはり我が国にとって不利であることはもちろんだ。故に、密かに指名手配している。諸侯もそこは内密にご協力願いたい」


大公は、手元の資料を数枚、めくる。

「名は、タース。自称十五歳だが、それも見た目はもう少し幼い。身体的特徴などは後ほど、資料をお渡ししよう。捕らえた場合速やかに公軍に引き渡すよう、お願いする」

二十四人は視線を交わすものの、それ以上、口を開くものもなかった。

ごほん。
白髪の議長が、咳払いした。
「では、お諮りします」
静まる。

「件の混血児については、その出生について調査を続けるとともに、指名手配によって捕縛する」
脇に控える書記の記述を読み上げた。
「これを承認することにご異議ございませんか」
「異議なし」
頷くもの、低くうなるようにそう言葉を発するもの、それぞれだが、反対するものはいない。

「では、この件については承認されました。続いてミーア派の処分についてですが」
そこでまた一つ咳払い。

「大司祭の解任については見送り、また混血児逃走の失態については罪を問わない、これでよろしいでしょうかな」
ため息交じりとも取れる口調が、二十四、そろう。
「異議なし」
「以上ですべての審議を尽くしました。これにて閉会を宣言します」

次へ(9/17公開予定♪)
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楓さん♪

へへへ…リアルです?そういっていただけると嬉しい♪
仕事柄多少分かるので。
中世ヨーロッパ♪そういっていただけると嬉しい♪最近読んでいる本は難しくてなかなか読み砕けないのだけれど。あの時代の騎士階級、王家、貴族、司教、参事会の混沌が興味深くて。
小説にはもちろんすべては使えないのだけれど。

タース君、そうです。そのまま手配続行♪リュエル三世にしてみれば目的はファドナ女史の擁護ですから、タース君はそのための妥協条件に利用されるわけです。世知辛い世の中ですよ~(^^)

リアルだ

絶妙にリアルな評議会ですねぇ。
この3話ですごくライトールを取り巻く世界史観が掴めました。
面白い。
今までで一番スケールの大きさを感じます。
まるで中世ヨーロッパに実在するかのような世界観にほれぼれ~
で、
タース君指名手配は覆らずデスか。
大司祭の解任見送り、また混血児逃走の失態については罪を問わない……これが、精一杯の妥協案ってところですね。
何処の世界でも力を持った宗派は優遇されるんだよなぁ(笑

コメントありがとうございます~!!

かいりさん♪
そうなんです~!!タース君、こんな風に世界に絡んできちゃうんです。
シーガ様がどこまで知っているのか…。うん、らんららも彼が何考えているのか(おい…^^;)
うふふ、タース君とミキーちゃんはそんなこと全然知りませんからね~♪
ふふ、どうなっていくのか…。


史間さん♪
おお、そうそう、そうなんです!理不尽なことって、どうしてもありますよね!普通のおじさんおばさんには好かれるのに、権力者にはどうにも…。
おおシーガ、王子様に昇格している!!
「さあ?」の一言で済まされそうですが(笑)


ユミさん♪
分かります、ケータイからだと、長く入れられない、うん。それでらんららもケータイからのコメントが苦手で。うつの遅いし…。捕縛、何で自分が知っているのかよくわかんないけど(笑)拉致だと意味が違うし逮捕でもないしと。
うん、シーガ様がんばると思いますよ♪ただ、タース君は…(むぐむぐ…)

捕縛!!

この言葉知りませんでした!!怖い雰囲気の言葉ですね。
タースくんの身の安全が心配です(>_<)シーガ様護って下さいねー!!
携帯からなので感想短くて、すみません(:_;)

なんてこと…

ですが、こういう決議だからこそ、世界設定が地に足ついている感じがしますね。権力ある者が理不尽に護られる。
「タースは特別だ、助けよう」とか簡単になったら、現実味がないですもんね。
でもハラハラ!
シーガ王子(笑)が守ってくれるさ、ああ!

ぎゃー!

タ、タース君指名手配されてるよー><;!!!
捕縛なんて…ひぃ!
本当に、シーガ様はそのこと知ってるの!?
シーガ様何を考えているのかわかりにくいからなぁ><;

次からいよいよタース君たちが登場でしょうか!?
なんかほのぼのなシーンでもどこかに敵が!?と、ドキドキしそうです!!
続きも頑張ってください!!

chachaさん♪

はい、タース君こんなんなってます~!!
ぶはは!!ミキーちゃんは知らない、うん、絶対知らない!!

タース君、シーガ様、どんな影響を。うん。これこそこのお話の主軸なんですが。なにしろ、相手が大きいから描くのに時間がかかります~長いお話になりそう…(^^;)
満足させますよ~!!がんばります!

おぉぅ。

タース、指名手配中か・・・怖っ!!
かなり凄いことになってるじゃないか!タース、色んな所から追われる身となってしまってて・・・@@;
シーガくんは、それを知ってて連れているんでしょうか??
スレイドさんは??どうなんでしょう??
ミキーは・・・知るわけがないか(笑)

こういったサイドストーリーはとっても大切で。
世界がどれだけ広いか実感できます。そして、それがどれほど複雑に絡み合っているか、ということも・・・

タースやシーガくんたちは、この世界に一体どれだけの影響を与えることが出来るでしょう。
これから、どのくらい辛い試練を乗り越えていくんでしょう。
まだまだ、奥が深そうな雰囲気にどきどきしながら、続きを楽しみにしています^^
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