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「想うものの欠片」第六話 ⑭

14

「それだけのこと、わざわざカラス使うんだ。マメだなぁ、ま、カラス見れて面白いけど」

グカ!!

油断したタースの手のひらを、大きな口ばしがガツッと挟んだ。

「うわ!!」
慌てて手を振り払う。

「タース!」
その手がシーガの腕に当たり、シーガが紙切れを取り落とした。

「痛いな!もう!こいつ!」
タースが反撃とばかりにカラスを抱きかかえようとしたのでタンラは翼を広げてテーブルの上を走り回る。タースは捕まえようとそれを追い回す。

「止めなさい!!」
「きゃ!!」
「こら、ワインが!」
「だってさ!」
言いかけたときには遅く、タースの肘はワイングラスを直撃。

コン、と硬質な音をさせて陶器のワイングラスが倒れ、赤い液体がすっとテーブルを伝う。

「ああ!」
シーガは慌てて立ちあがり、ミキーも服を汚すまいとイスの上によじ登った。
「ごめん、ごめん!」
タースは慌ててグラスを元に戻すと、シーガが髪を拭いていたタオルをつかんでテーブルと床を拭いた。
「グカー!!」
その頭に嬉しそうにタンラが乗る。

「いて、お前馬鹿にしてるだろ」
そういいながらもタースはカラスのするがままに任せ、目の前の作業に集中する。

「まったく、お前は!」
「ビックリしたですの」
「案外とろいな、タース…おい?」
ダルクが最初に気付いた。

タースはテーブルの下に落ちた、スレイドからの手紙を読んでいたのだ。
「!タース、お前、まさかわざと?」
シーガが慌ててそれを取り上げようとする。
と、タースは無言でワインに汚れたタオルを青年の目の前に突き出してけん制する。
「!」

「これ、どういう意味?」
「なんだ、何が書いてあるんだよ?」
ダルクもカラスの存在を忘れテーブルに皿とグラスを置いてタースの持つ紙切れを覗き込んだ。
「あなたが神に仇なすのであれば、母君は悲しみます。くれぐれもおかしな行動は取らぬよう。もし、あなたのそばに星がいなくなれば、私は星を闇に返します」
タースが読み上げる。

ダルクは腕を組んでイスに深く座った。
ギシりときしむ。目の前でタンラが鴨肉を一切れ口にくわえても、気にしないようだ。

「どういうこと?これ?」
「なあ、タース。まずは、お前さんが追われる理由からだ」
口を開いたダルクは、スレイドの言葉の意味が分かるのだろう、渋い顔でシーガを見つめた。

「いいでしょう。私が、話します」

ミキーが柔らかな手でタースにしがみつくので、タースはそっと手をつなぐ。
こぼれたワインのむせる匂い。
タースはイスに座り、濃厚な香りを避けるように抱えた膝に鼻までうずめた。


「混血を禁じられていることは知っていますね?」
タースは頷いた。
「お前は、シモエ教区で生まれたとそういいましたね」
「ああ」
「シモエ教区にいるのはシデイラと、彼らを管理する役目の神職のものだけです。女性はいないはずですから、きっとお前の父親が、ライトール人の司祭見習いか何かだったのでしょう」
言われるとおりだった。
父親はライトール人だった。
そこでシーガは足を組みなおした。

「私たちがライト公領でお前を捕らえたすぐ後に、国内のロロテス派からシモエ教区の視察をしたいという申し出がありました。我らミーア派はお前の存在を知られるわけには行きませんでした。だからお前をシモエ教区に送ることはやめ、聖堂内にとどめ、機を見計らって旅立ったのです。お前を国内から追い出してティエンザで解き放せば存在をなかったことに出来る。そう計画しました」

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史間さん♪

むは!カラス嫌いです?
らんららは悪い印象がないので~(^^)
タースくんは忌み嫌う生き物はいないです♪
どっちかって言うと親近感沸いちゃってるかも(笑)

また一息(超短い)

タースについて重要な事実が明かされようとしている寸で……

カラスが見られると面白いの?

カラスだよ?カラスっすよ??

……いや、ただそれだけなんですけど、何故か書きたくてしょうもなかった。
しょーもなっ(笑)
さて、続きです♪失礼をば!
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