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「想うものの欠片」第七話⑦



「お探ししてました!」

「何か用事かな」
「僕はコナツ、彼女はミキー。銀聖シーガと一緒に博物館に仕事で来ました」
「おお、シーガどのがお見えか。ご挨拶に行かねば」
「あの、ユルギアのことで!」

老人は持っていた籠を足元に置くと、そのまま二人の肩に手を置いて歩き出した。
「話は後だ。まずシーガどのにお会いしよう。来なさい。こちらからが近道だよ」

建物と建物の間の、狭い通路を歩きながら、タースは考えていた。
シーガのこと、なんて説明しよう。

「どうした?ユルギアなど、あの青年ならすぐに退治してくれるだろう。何か、恐ろしいものでもいたのかな」
「あ、いえ。僕には全部は見えないから。館長さんは見えるんですか?」
「いいや。シデイラではないのでね。君は見えるのかな?」

タースは思わず口を手で塞いだ。見えることがばれるのはまずい!
その仕草にガネルはちらりと眉を上げた。

「あ、いいえ。見えないです。でも、その、いなかったんです、ユルギア」
「見えないのにいないというのは?」

「あー。ええと。シーガが調べて、それでいないって分かったんです!だから、あの」
「まあ、それは始めから信じてはいないがね」
「え?」

改めて老人を見上げる。
「シーガどのに会いたくてね。仕事はついでだ」
「ええ!?」

でも、それで閉じ込められちゃったシーガの立場は!?


博物館の玄関に付くと、大司祭ガネルはさっさと通用口を潜り抜ける。
タースはガネルから一歩離れて、ミキーと並ぶ。ミキーはタースと目が合うと嬉しそうに脇に寄ってきた。

一体、どういう人なんだ?

タースは背中を睨む。
視線に気付いたかのように老人が振り向いて、笑った。
タースは思わず胸を押さえる。
「私はね、シーガにあえて嬉しいんだよ。さて、ミムウトはいないのか?」
カウンターの奥をのぞいている。

「あの陰気な男の人ですか?こっちです!地下の収蔵庫にいます」
「ああ、そちらか」
老人がカウンターに置かれていた小さな呼び鈴を鳴らした。
冷たい音が響き、程なく奥の部屋から大柄な男が出てきた。

「あれ?さっきまで誰もいなかったのに」
「いやいや、彼は私の専属の従者でね。私が呼ばないと出てこないのだよ」

「ふうん」
変なの。タースはミキーと視線を合わせる。


従者が先に立ってランプをかざし、タースたちは地下へと向かう。
まだ昼だというのに窓から入る陽光が傾くにつれ、室内は暗さを増した。

従者は地下の部屋の扉を何の前触れもなくぐいと開いた。
「!?あ、大司祭様」
先ほどの青年は座っていた木箱から慌てて立ち上がった。

「ミムウト、休日というのにすまないね。一人きりの作業は気持ち悪いだろう?」
「いいえ、そんなことありません」
「で、シーガはどこにいる?」

青年はタースたちをじろりと睨んだ。
タースはむっとして、睨み返す。
「…シーガ?誰ですか?」
青年がとぼけようとするので、タースは詰め寄った。
「嘘つくなよ!早く開けろよ!」
ミキーは収蔵庫の扉にすがっている。

「何があったのかな?ミムウト?」
館長の穏やかな視線をうけて青年は視線をそらした。
頭をかき、眼鏡をかけなおし。
「シーガはここに閉じ込められているんです!」タースが叫ぶと青年は憮然とした表情で反論した。
「いいえ、彼らが突然押し入ってきたので、驚いてしたことです!大体君たち無断で入ってきただろう!怪しい人間に警戒するのは当然ですよ!」
とぼける青年にタースは鼻息を荒くする。
青年の理由を想像して、同情していたのに。唇をかみ締めた。

「早く開けろよ!シーガが死んじゃうよ!」
タースが叫ぶと、青年は慌ててタースの肩に手を延ばす。
「まあ、落ち着きなさい」
先ほどの館長の従者が後ろからタースの両肩を押さえた。
「離せよ!」
「シーガはそう簡単に死んだりしないのだよ」
そう言ったのは、館長だった。

「何、それ?」
老人は小さい目を更に細めた。
「そういう星の下に生まれている、ということだね」
意味深に笑う。タースは従者を突き放そうとしていたが、動きを止めた。
平然としているガネルが薄気味悪い。

「いいから、開けてくれよ!」
「ああ、そうだね」
老人の視線を受けてタースの背後にいた従者が扉に近づく。

その後ろからタースも覗き込む。

難なく扉が開かれた。

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史間さん♪

ぶはは!!ミムー!?ってなに!?って想っちゃった!!(笑)
なんとも、この辺りの人々は、よからぬ感じです♪
おお、タース目線♪
(ていうか、だめですよね、らんららの。いろいろ視点は移ってるし…こんど、アドバイスお願いします~)
この後、はい。
いろいろとね。起こります!シーガの…ふふふ。(←不気味)

ミムー!!

おはようございます♪
こら、ミムー!(なにこの略称)
態度が違うぞ、違うから!
館長のイメージも一瞬「いい人?」とか思っちゃいましたが、観察眼鋭いお爺さんっぽいですね。
シーガに会いたかった…ということは、タースを指名手配したのも、シーガに会いたかったから??
一体何のために、シーガの何を知っているんだろう。
久しぶりにタース目線で話を読んでいます♪
続き楽しみですー
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