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「想うものの欠片」第九話 ②


「あったかいですの。ルリアイが増えると、ここがとくとくします。シーガさまに触れたときみたいに、胸がとくとくします。タースもとくとくしていますの。ミキーはいっぱいルリアイをもらって、人間になるですの!」
びしっとシーガの目の前に両手を差し出した。
「…人間、になりたいのですか?」
「ですの!もっと下さい!ルリアイ!」
ふとシーガは目を細めた。
「無理ですよ。ミキー。ルリアイの宿す想い、それはユルギアに似ているのでしょうね。シデイラの強い想いのこもった涙はルリアイとなり、それ以外の人間の想いはユルギアになる。両方が集っても、それは思念のカタマリに過ぎません」
「ひどいですの」
皮の袋を再びしまう青年に、ミキーはがっくりと肩を落とした。
「期待するだけ無駄です。まあ、複雑な感情表現も出来るようですし。その意味では人間に近づいているとは思いますが。いくら形が似ていても人間には生命があります。ユルギアは生命を宿す生き物にはなりません」
「生命…タースはミキーのこと、怒りましたの。キドラが死んでしまったからですの。タースは生命を大切にして欲しいって怒りましたの。タースは、いろいろなことをたくさん教えてくれましたの」
少女はクリーム色の髪を胸の前でもてあそびながら、再び足をぶらぶらとさせる。長い睫の横顔は思いつめたように真剣だ。
「ミキー?」
「ねえ、シーガさま。ミキーは考えましたの。タースがどうして怒ったのか。ずっとずっと考えていましたの。ミキーは人間ではないですし、なくして困る命もないです。生き物でいることの意味が分からないの。だから、タースみたいになりたいですの。人間になりたいです。タースは優しくて面白くて、あったかいですの。タースのそばにいると、ミキーは人間になった心地になりますの。生命があるように思える」
「…あれは、お前を人間扱いしていますからね」
「それは嬉しいですの」

シーガは黙ってミキーを見つめていた。

「シーガさま?」
「…いいえ。なんでもありません。誰かに愛されるというのは、そういうことなのですよ」

ミキーは初めて愛されることを知ったのかもしれない。だから、タースはミキーに影響を与えるのだろう。そして、ミキーにとってもタースは特別なのだ。
「ミキーは愛されてる…」
そう、小さくつぶやいた少女の頬は桜色に染まっていた。窓から差し込む柔らかい日差しに乳白色の額が透けるようだ。潤んだ瞳、そこに揺れるきらめきは涙にも見える。
シーガは目を細めた。初めて、少女を美しいと感じたのだ。
今ならタースの気持ちが、わずかに理解できるような気がした。

「実態は偽者でも。ユルギアの抱える思念は本物、ということでしょうか」
自分自身に問いかけるようにシーガは視線を正面に戻した。足を組みなおし、深く座席にもたれる。

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おお、史間さん!!

らんららもご無沙汰かもです!
そう、茉莉くんの続きを待ちつつ、ちらちらと覗き見はしていたのだけど。
ミキー。そんなわけでじわじわと変化しています。
人間に~?むふ。
そこはお楽しみということで(笑

お久しぶりです!!!

お久しぶりすぎて、もう(涙)
これから一気読みさせていただきます!!!
と思って、いきなりここでもコメ。
だって、そうか。ミキーの感情の変化は、タースのルリアイのせいだったのか……。
やっぱりムリなのでしょうか~うーん。
早く再会できるといいですね、ミキー(とシーガ)。

松果さん♪

うふん。
素敵なところに着目♪嬉しいです~。
タース君に出合って、変わっていく二人。
人が出会う意味ってそういうところにありますよね。
そこからドラマ、みたいな。
ミキーちゃんの願い、どうなるでしょう~(むふ♪

そしてタース君との再会。
うふふ。
お楽しみに♪

ちょっと切ない

ユルギアなのに「人間になりたい」と願うミキーがいじらしくて、切ないです。
今までだって無邪気で可愛かったけど、タースの影響で初めて血の通った感情を持つようになったんですね。
そんなミキーを美しいと思えたのは、ミキーの変化もあるけど、シーガ自身の心が変化しているんだよね。

うう~、タース君と早く再会させてあげたいっ!
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