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「想うものの欠片」第九話 ④


冷静な青年と満面の笑みの美少女、二人のやりとりに店主は目を細めている。
正面でミキーは上目遣いだ。生の魚と聞いて、興味津々なのだ。タースであれば大いに喜んで気持ちよく食べて感想を言ってくれる。期待に満ちたミキーをちらりと見て、シーガはため息。目をつぶって魚を口に運んだ。
スライスした玉葱の辛味とオイルの風味、レモンの酸味に引き立つ魚の甘み。適度な歯ごたえと塩加減、コショウはほとんど感じられなかった。
「……美味しい」
驚いたようにまじまじと料理を見つめる青年に店主は嬉しそうに笑った。
「だろ?」
カウンターの男が親指を突き出して片目をつぶった。隣のテーブルの子供もイスの背に乗り出して笑う。
「ほらね!」
「ええ、美味しいです」
シーガは少年と目が会うと相槌を打った。
「いやぁ、そういっていただけると嬉しいですな!だんな、笑うと若く見えるね、いくつです?」
派手に肩を叩かれて、飲みかけた水をこぼしそうになる。いつの間にか笑っていたのだ。気付かなかった。そんな風に言われたのも、自然と笑みをこぼしていたことも、初めてだった。思わぬ指摘に内心の動揺を隠そうと慌て、照れて頬が赤くなっていることにも青年は気付いていない。いつもの冷静な表情に戻れずにいる。
「……二十五です」
「なんだ、まだまだ、若いじゃねえか。仏頂面してるからもっと老けてるかと思った。美味いもんを食べる時は自然と笑顔になるもんだ。お客さんのそういう顔を見るのが楽しくてこの商売をやってるんだ」
「…ありがとうございます。とても美味しい」
何とかいつもの顔に戻ったと感じつつも、頬に当てた手はやはり青年の気持ちを表現していた。
「シーガさま、嬉しそうですの」
「ミキー!」
少女の屈託のない感想にシーガはまた顔を赤くした。


タースにも食べさせたかったとミキーが何度も言うように、その店の料理は抜群だった。新しい物好きの店主はシーガにイロイロと話しかけ、シーガも珍しくそれに応えた。ミキーは嬉しいのか始終ニコニコと笑顔を振りまいて、周囲の人間を喜ばせる。
こんな温かい食事は初めてだった。
店主に船着場を教えてもらい、店を後にした時にはすでに陽が傾いていた。元々遅い昼食だった。夜間は風向きが変わり湾内も荒れるために、船は出航しないという。

「急ぎますよ」
「はい!」

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かいりさん♪

おお~ものすごい勢いで!!(>∇<)嬉しいです!
そう、この地球!!同じ地球ですよ♪ああ~嬉しい!鋭い~!!
そこもうちょっと力入れようかな!

ミキーちゃん、人間に!?
てへっ♪どうなるかな~♪
お楽しみに♪

私も食べたいですの!!

これは、もしかしてあれですよね、お刺身のマリネですよね!
大好きなのですー!うおー私も食べたい *><* よ、ヨダレが…!

第八話は本当に色々なことが明かされて面白くて、一気に読み進めてしまいました!
古代文明のお話は特に、今のこの地球とを重ねてしまいました…。
でも最後、タースと陛下がどうなったのかがとても気になります><;
というかタースに「その人シーガ様のお父様だから!!」と教えたくてたまりませんでした(笑
そして人間になりたいと言ったミキーちゃん。
私もそう思います~^^ らんららさん!ミキーちゃんのお願い叶えて~!(笑
それでは!また読みにお邪魔しますね^^
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