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「想うものの欠片」第九話 ⑥


「シーガさん、夕食、いつでも食べられますぜ、下へどうぞ」
ポンスがオレンジの勝った金髪を押さえながら顔をのぞかせた。船を操る操舵室が甲板の真ん中にあり、その背後にある階段から船室へと降りられる。もともとは商業船で、下はほとんどが船倉となっている。船乗りはポンスを合わせて七人。これだけで動かせるものなのだろうかとシーガは心配になる。

船室の中で最も広い場所が食堂に当てられていた。
他にはくつろげる場所がないのだろう、船乗りたちは思い思いに椅子やテーブルに背や足を伸ばす。気のいい船乗りの一人がミキーの姿を認めるとすぐに二人の場所を確保してくれた。船医兼料理人だという青年が、二人の前に温かいスープと魚を焼いたもの、トマトソースを乗せて焼いたパンを出してくれた。

「だんなはレスカリアへ何しに行くんです?」
遠慮のない口ぶりは海の男の特徴なのかもしれない。
「観光です」
言葉も表情も少ない青年に拒絶の意思を感じ取れないのか、ポンスはしっかりシーガの隣に座る。
「はい、あーんですの」
ミキーの誘惑もある。
ミキーの分の食事を片付けるまでは仕方ないと、シーガもまわりに集う男たちに我慢していた。
「観光ね、あそこは何にもないですぜ」
「何も?」
ポンスは苦笑いする。
「あんた、何にも知らずに渡るんですかい?レスカリアはお堅い宗教の国ですぜ。さっきも言ったように馬車ですら持ち込むのを嫌がります」
ポンスの言葉を料理人の青年も引き継いだ。
「そうそう、僕らの船だって港には停泊できないんです」
「港に停泊できない?」
シーガが問うと、ポンスは麦酒のコップを置いた。
「ま、停泊できないのは仕方ないんです。あの国は島国でね。周囲は遠浅の海。その上古代遺跡だかなんだか知らないが、いろんなものが海に沈んでいて危なくて近寄れません。だから、沖で船を止めて、そこからボートで上陸する。荷物を運ぶのはもう、そりゃ、大変ですぜ。しかもボートはあちらさんの警備船でなきゃならない。自分たちで勝手に上陸することは出来ない仕組みになっています」
「それは船長、病気とかそんなのもあるらしいですよ」
「病気?」
今度は船医の青年にポンスが眉をひそめる。
「ほら、あっちと大陸は気候が違うじゃないですか。違う病原菌とかあるわけですよ。だから、病人がいる船は上陸許可がおりないって言う話です。この間、レトの船が風邪引き一人のためにえらい目にあったって言ってました。レトのことですからね、喧嘩寸前だったらしいですけど。ま、病気を隠して乗船した客を海に突き落とさなかっただけましだった」
「…怖い話ですね」
シーガは男たちを見回した。いつの間にか、室内の全員がその話に聞き入っていた。
「ま、一番怖いのは、本当に恐ろしい病気を持っている奴がいて、船全体がそれに感染することです。でね、シーガさんって言いましたか?後で診察させてくださいね。軽い風邪くらいなら到着までに治して見せますよ」
船医の青年は穏やかに笑った。

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史間さん♪

いらっしゃいませ(←違う。
ご飯描写は任せてください♪食べ物には妄想と夢が入り混じります♪

むう。

(一気に読むけど、時々コメントする人)
ミキーが他の男にあーんってしていたので、タースの代わりにやきもちやいときます。
相変わらず、ごはんの描写が素敵です♪
美味しそう……。
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らんらら

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