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片翼のブランカ その7

<<新しい出会いは、人を成長させますよね。ココの冒険7話目です。>>

香ばしい、いいにおいにくすぐられて、ココは目が覚める。
大切に抱きかかえている翼の上に、もう一枚、フワフワした白い毛布が掛けられていた。
ごろんと横を見ると、鉄色の髪をくしゃくしゃにして、シェインが眠っていた。
大きな口をあけて。
上を向いて。
伸ばした手が、不意に動いてココの上に乗る。
「うきゃ。」
びっくりして飛び起きて、その声でシェインも目を開けた。
「うるせえ。お前、殴られたいか?」
眠そうな目は、とても三角に見える。
「シェイン?」
「シェイン!」
慌てて隣のお部屋からカータが駆け込んできた。
首を傾げて、床に座り込んでいるココを、背後からカータが抱き寄せた。
「馬鹿なこと言わないでよ、ブランカ殴ってどうすんの。」
「ああ。そうだ。お前とは違った。」
べし。
「あたしなら殴ってもいいっていうの?」
「そういいながらお前、殴ってんじゃねえか!暴力女!」
「うるさいわね、朝食あげないわよ!あ、こげちゃう!シェイン、ココの顔洗ってやって
よ!」
ぶつぶつ何か言いながら、シェインが立ち上がって、ココの手を引いて部屋を出た。
なぐるって、そういうこと。ココはひとりでふんふんとうなずいた。
「ココを苛めないでよ!」
「はいはい。」
大きくあくびをする。
ココも同じようにあくびをする。
目が合って、ココは嬉しくなる。
「ほら、顔洗えよ。」
ココは、石で作られた水の入ったそこで、ばしゃばしゃと、顔を洗った。
「お前、水大切にしろ。この下層で、こんなまともな水使えるの、ここだけなんだ。」
「まともな水。ここ下層なの?」
改めて、ココは周りを見回した。

ココたちが立っている場所は、黒々した岩でできた洞窟の中だった。
岩をきれいに切り出して、きれいな柱が何本も立っている。広い。その先に、明るい外が
あった。その向こうに谷。さらに遠く、白い霧にうっすら浮かぶ遠い向こうの山。
「ここはな、俺たちの隠れ家。大切な我が家だ。大変だったんだぜ、この岩山の洞窟をこ
こまで快適にするのは。ほら、来て見ろ。」
シェインは少し自慢げに、ココの手を引いて、洞窟の外に向かった。
洞窟の天井を支える柱を何本も通り過ぎる間に、昨日見た、大きな翼のある鹿がいた。
大人しく座って、シェインが来るとクウと、鼻を鳴らした。
「おはよ、ラタ。」
「らた?」
「ああ、俺の空角だ。可愛いだろう。」
「そらつの?」
シェインは目を細めて、その空角の首をなでる。嬉しそうに空角がすりよる。
うらやましくなる。
「お前、本当に何も知らないな。空角は、この世界で最もよく利用される乗り物なんだ。
よくなつくし、美しい。大人三人までは運べるんだ。」
「ふうん。」
ココがラタに近寄る。
ラタは大きなくりくりした瞳をぱちくりした。
不意に、ラタが額を下げて角を突き出した。
「きゃ、?」
「おい、近寄るな。お前、嫌われてるんだ。」
「どうして?」
「嫉妬してんだよ。ラタは俺と契約いている。だから、俺のそばにいるお前が嫌いなんだ。」
「ふうん。カータも嫌い?」
「ああ。あいつを絶対乗せない。」
「カータは何に乗るの?」
「あの女は、風牙。」
シェインがあごで示した方角に、白い大きなトラがいた。それにも立派な翼がある。
「ふうが。」
「そう。名前はそのままフウガだ。カータの趣味でな。あれは俺のことを嫌ってる。」
「ココも嫌われてるの?」
「そうだ。こういう守人に尽くす生き物は守獣(しゅじゅう)といってな。守人と所有の
契約を結んでる。だから、あいつらは契約を結んだ相手の言うことしか聞かない。」
「所有の、契約。」
「ああ、死ぬまでそばにいることを意味している。それは、守人同士も同じだ。」
「?シェインと、カータも?」
そこでシェインが、少し顔を赤くした。
「ばか、あいつがそんな大人しい女かよ。あれを所有するなんて、神殿の神官だってでき
やしないさ。」
「シェイン、赤い。」
「うるさい。」
シェインに促され、ココは洞窟の外に出た。
薄暗い空。遠く低く、怖い音がしていた。
風が強い。
ココは身震いした。
遠い向こうの山、下を見ようとしてもかすんで見えない谷。
草花の一つもなく、谷を渡る風だろうか、ボーボーといやな音を立てる。
「怖いか。」
面白そうに男が笑う。
鉄色の前髪をかきあげる。
ココは、シェインの服につかまって、じっと見上げた。
鉄色の長い髪が風になびく。
大きな体。日に焼けて、少しひげのちらつくあご。
男が下を見た。目が合う。
「なんだ?」
「うんと、何ていうのかな。怖い、じゃなくて、大きいじゃなくて、立派じゃなくて、え
えと。」
「お前、喧嘩売ってるのか?」
シェインがしゃがんで、ココの視線に顔を持ってきた。
「あ、強そう、とか。」
「ああ、強いぞ俺は。」
「えと、その。」
「どうせなら、かっこいいとか、男前とかさ、」
「きれい!」
「だから、お前、それは褒めてないんだよ。」
「きれいったら、きれい!」
なんとなく、嬉しそうなシェインに、ココは調子に乗る。
ニコニコ笑って、シェインに抱きつく。
目の前の守人は、あきれたように、首にすがりつくブランカをそのまま抱き上げて、暖か
い暖炉のある部屋へ、戻っていった。

なんで、こんなの、拾っちまったカナ。
パタパタ嬉しそうにする片翼を、視界の端に見ながら、シェインは考えていた。
ブランカは、言葉の力に影響されない。
契約に関しては、分からないが。言葉の力に関係ないってことは。
言葉の力『言霊』で封印されているあちこちの、遺跡を破れるってことじゃねえか?
遺跡にあるお宝を、いただけるってことだ。
そうだ。

ヒュー。
小さく口笛を吹く。
「なあに?」
「いや、なんでもない。」
さっきから肩に担ぎ上げられて、逆に嬉しそうにはしゃいでいるブランカに、シェインは
にっこりと笑いかけた。
こいつは、使える。
「さあ、朝飯だ。」
「わあい!ごはん、ごはんっ!」

 「片翼のブランカ」続きはこちら
http://ranrara.blog70.fc2.com/blog-entry-63.html


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今が食べごろ!

どうぞどうぞ、旬です!今が!!
らんらら、食べ物描写好きなんだけど、カータは料理あんまりしません。(多分シェインのほうが上手い)
ああ、お腹すいてきました。
帰ります((今から、帰宅です!!

パタパタ

ココちゃんかわいすぎ。食べちゃってもいいですか (^O^/イタダキマス
ん~おいしい匂い・・・カータはいったい何を作ってるんだろう♪
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