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「想うものの欠片」第十話 ①

らんららです。
前話までのお話。
逃げ場を失って、レスカリアへ向かったタース君は途中、飛行船から飛び降りました。
レスカリアの皇帝が自分の父親であると知ったシーガさまは、ミキーちゃんを伴って、レスカリアへと向かいます。

彼らとはまた違う方向を目指す一人。
国境を封鎖されたライトールへと向かう、スレイド。

今回はスレイドさん、がんばります…?

20070611075841.png

↑参考に、地図です♪


第十話『世を継ぐ男』



のどかな昼間だった。
蒼い海、蒼い空。

男は寝転んで帽子の下の日陰で心地よくうとうとしている。
ゆったりと子守唄のリズムで揺れる小船はそのまま揺りかごだ。
不意にぐらりと揺れる。

「!なんだ、何かあったのか!」

ムクリと起き上がった男をあきれたように見つめ、白髪の老人は肩をすくめた。
「国境を違法に越えるってのに、旦那ほど気持ちよさそうに昼寝してた客は初めてですぜ」
「なんだ、お前の悪戯か」
黒髪の三十代前半の男は帽子を被りなおした。腹の上にかけていた黒い上着をさらりとはおる。
「あっしじゃありませんぜ、旦那。小さな津波でさ。南で何かあったんですよ」
「南?」
「ええ、あっちの、ほら、レスカリアの方角で」
ふん、とかすかに眉をひそめ、男は顎に伸びた不精髭をさすった。
「またまた、爺さん、私をからかおうなんていけませんぜ。さっきのあんなのだけで分かるはずがない」
「グカ!」
男の脇で丸くなっていたカラスが鳴いた。薄気味悪そうにその風変わりなペットを眺めて老人はこいでいた櫓の手を止めた。

「旦那、あっしだって元は外洋船の船乗りだったんですぜ、分かりますよ。あれは南からの波です。ここまで届いたってことは何か、そうですね、地震みたいなもんが起こったんですよ。最近多いでしょう?嫌でも経験しますからね」
「ふ~ん。成る程、爺さんもなかなかの腕だってことだ」
「ま、今じゃ年老いてこんな内海の、しかもこんな怪しげな人を乗せて国境を越えてますがね」
「ま、それも経験だろ?」

スレイドはまぶしそうに目を凝らし、近づいてくるライトール公国の南端の港町を眺めた。波止場にライトール軍籍の中型の蒸気船が二艘停泊している。
戦争を始めたからにはそれなりの布陣はしているって事だな、ムハジクらしい、と心の中でつぶやく。

「おい爺さん、もう少しあの崖に近づいてくれ。あんた、あれにとっ捕まるのは歓迎しないだろ」
「へい。旦那が泳ぐんですか」
「お前が。泳いでくれるか?」にやりと上着の内ポケットに手を入れる男のさまは、嫌に迫力がある。老人は慌てた。
「旦那、冗談は止めてくださいよ。行きますよ、サービスします」
「おお、優しいね。じゃあ、追加の代金だ。受け取っておけ」
スレイドはポケットから細長い紙切れを取り出した。
「ありがたいお札だ。普通なら銀貨五百なんだぜ」
「へい、そりゃ、どうも」
スレイドの名前も目的も聞かず、ただ言われたとおりに国境を越えた老人は、それなりの商売を心得ているのだろう。
下手に怒らせて海に突き落とされてはたまらない。男が懐から引っ張り出した細長い紙を受け取るとポケットにねじ込んだ。

「なあ、爺さん。爺さんは海のこと詳しいんだよな」
「へい」
「ティエンザとシモエ教区の境、なんていったかな、あの辺」
「ああ、北部のラザナリという地域ですよ。何にもない岩山です。あの辺はちょうどシデイラ山地から吹き降ろす風で乾燥してましてね。気温は低いわ、水はないわ、最悪な場所です。海岸線はなだらかですが砂浜はないですよ」
「ライトールから北回りでどのくらいかかるんだい」
「ああ、そりゃ、大型の蒸気船なら二日でしょうけどね、この船なら凍りついて終わりですよ」
「なんだ、プロの割には情けないねぇ」
「無茶はよしてくださいよ、だんな。海流は早いんで乗っちまえばシモエ教区をぐるっとまわってティエンザの北に出るのは海図もいらないくらい簡単ですよ。けど、寒いんで、それだけですよ。大体、何にもないんですからね、そんな航路使う奴はいませんや」
そういって肩をすくめると老人はまるで氷の中にいるように震えて見せた。

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史間さん♪

マジックハンド!ですよ~!!

ええ、大丈夫。スレイドですから~!(お返事になってない^^;

史間さんの「キャラ熟成」という言葉にうむ~と考えています。らんららは出来ていない気がする。日々反省(笑
こいつはこういう奴だ、こんな時にはこんなこと言う、という試行錯誤?の積み重ねですよね、それって。妄想が足りてないです。

人様のキャラだといくらでも妄想番外編作れるのに~(←おい…^^;

よしきた!十話突入、おめでとうございます~♪(遅い)
スレイドってば、寝ながら越境ですか。さすがマジックハンド(関係ない)
そして例の札を(笑)
彼が危機に直面しても、なんとなく「大丈夫大丈夫♪スレイドだし何とかなる」という妙な安心感があるのはなぜか……

さて、続きです♪

ユミさん~♪

うふふ。
ありがとうございます!
お仕事の息抜きに♪
寝る前のひとときに♪どうぞどうぞ。じっくり楽しんでください♪(どういうキャッチフレーズだ…^^;)

初日、楽しみで来ちゃいました~~♪
こっそり仕事の合間に立ち寄ってみたりして^^;
そして、スレイドさん登場にニヤリ。
みんなが同じ方向に向かって集合していくのって、はたから見ると
ドキドキしますね~~。
またちょっとずつ読みに来ますね。
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