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「想うものの欠片」最終話 ③



皇帝陛下の世話をすることになった。

変わった人たちだったけれど、親切にしてもらった。【逆月】という反政府組織があること。ティエンザの飛行船に追われていたこと。

そして、皇帝陛下が毒殺されかけたこと。犯人として追われ、飛行船から飛び出した。
最後に海原に立ち昇った水柱を見た、あの光景まで。

「…それは、海底火山の噴火です。私たちも船の上で見ました。お前は、ちょうどあの時、落ちたのですね」
そんなことに巻き込まれたのですか、とシーガはため息をつく。

「海底火山。そんなの、あるんだ」
「噴火と同時に地震も起こったのでしょう。この村も津波の被害がひどい」
馬車の幌の背後を見つめた。シーガが眺める山道でも、崩れた丘が生々しい赤土を日にさらしていた。

「…多いね。なんだか、世界中で地面が怒ってるみたいだ。誰か、怒らせるような悪さをしたんだ」
タースは自分の発想に面白みを感じたのか、少し笑う。
「笑えませんよ、タース。レスカリアでも異常気象で食糧難が続いているようです。ティエンザも、地震災害で疲弊していました。戦争が始まりますし、ここでもクーデターをたくらむような不穏な状態です。世界中が。どこかおかしい」

…タースは思い出した。

「五百年前と、同じなのかも」
「お前の言っていた古代文明ですか?皇帝の話を信じるなら世界は滅びるわけですね」
「滅びるとか、そんなの分かんないけど。僕さ、陛下にいろいろと教えてもらったんだ。シデイラの意味。ユルギアの意味。知ってる?」
シーガは眉をひそめた。

「いえ。私はミーア派の教えを受けましたから」
タースはシーガの表情を淋しげだと感じた。本来あるべきシデイラとしての生き方を学ばずに大人になったんだ。
タースは話し出した。


シデイラの敬う神はこの世界の生きるものすべてなんだ。

風や太陽、海、山の木々、動物たち。僕は聞き取れないけど、シデイラはそれらの想いを感じ取れる。ユルギアとしてね。人間だけじゃない、かすかな想いを全てが持っている。シデイラはこの世の生き物の想いを知ることができる。

つまり、シデイラの民が神とするのはユルギアのことなんだ。ユルギアもいろいろといるけど。

人間だけがね、それを聞き取れないし見ることも感じることも出来ない。だから、自然を破壊したりするんだ。

神、つまり世界にある生き物のユルギアから力をもらって神王となったシデイラは、人にユルギアの存在を知らしめて、生き物の想いを壊さないように導く役割を持つんだ。

生き物の生きようとする想い、強い想いが世界を支えている。だけど、人間が生き物を殺しすぎたり、山を開いて自然を壊したりすることで、生きる想いは薄れていく。だから異常気象になったり、災害が起こる。

それは結局人間に返って、たくさんの人が死んでしまう。
それが、文明の滅びとなって現れる。

僕は、それは人の自業自得だと思う。
だけど神王さまは、陛下は自分が神から受けた力、永遠といわれる命の力を返すことで世界を救えると想っている。
でも、そうすると陛下は死んでしまう。

そんなことまでして人間を救う必要はないと僕が言ったんだ。
でも、陛下は、話してくれた。

人間は、ユルギアを見ることは出来ない。けれど人間の持つ想いは、どの生き物より強い。通常僕らが「ユルギアは人間の残留思念だ」と感じてしまうくらい、ユルギアの大半は人間のものだ。それだけ強い想いを持つ人間だから、その力で世界が救われる可能性があるって言うんだ。

生きようとする力、愛情だったり、幸せだったり、優しさだったり。そういう想いを人間が世界に広げることで、人間だけが世界を変える事が出来るんだって。

だから、人間を信じたいから、人間を滅ぼすようなことはできない。

このまま、ティエンザやライトールがおかしな研究や自然破壊、生き物の乱獲を続けるなら、陛下は自らの命を捨ててまで、人間の可能性を残すつもりなんだ。
そういう人なんだ。
だからこそ、人間に陛下を殺させるなんてしちゃいけないんだ。僕、助けたいんだ。

ため息をついて、タースは、起き上がろうとする。
「寝ていなさい」
「でも」
馬車の横揺れに自重を支えきれず、タースはまた寝転んだ。薄い麻布を敷いただけの荷台に、ごん、と痛い音を立てた。
思うようにならない。力が出ないのだ。
仕方なくタースはそのままの姿勢でじっとしていた。

支えようと手を出したものの、自分自身も揺れによろめいて役に立てなかったミキーはタースの腕をさすった。
少女は珍しく随分無口だ。
シーガもじっと何かを考え込んでいる。

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ユミさん♪

んふふ、じっくり読んでくださってますね(^∇^)
実は、設定は遠い未来なのです、この世界(誰もわかんないよね、それ…笑)
この部分が、この物語の骨子だったりします。一番最初に思いついた設定なの。ここまでたどり着くのに随分時間がかかりましたが(笑
楽しんでください~♪

GWも終わって、あと少しで仕事も一段落しそうなんです♪これでやっとメグルちゃんに会いにいける~♪と楽しみにしてますので!!気になるのはパパ。どんなパパなのか♪

深いなぁ…。
人間て罪深い生き物ですね。
あれも、これも、他の生き物のこと、共存すること、あんまり
考えてない。自然災害は、結局返ってきてる。それを聞くと、
本当にゾッとします。
現世でも同じ。
最後に、この話がどういう方向に向かっていくのか、まだ読み取れないけど、
ここからどう解決していくのか、楽しみです♪
また来ますー☆
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