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「想うものの欠片」最終話 ④



陛下を助けたい。

両親を死なせてしまった。
その哀しさと後悔がずっと心に残すわだかまりを。

あの人は分かってくれる。

そばにいるのがすごく安心できた。
役に立ちたいと思った。

その気持ちをシーガにもわかってほしい。

「あのさ、僕、話してなかったけど。自分の、その。両親を」
言いかけて、タースは声になっていないことに気付く。
心配そうに見つめるミキーと目が合った。

それを口に出せば同情を買うのかもしれない。
まるで許しを請うような、哀れんで欲しいかのような。
その行為は嫌だった。

話してしまうことで、少しは気が楽になるのかもしれない、そう分かっている自分自身が嫌だった。

「…ううん、やっぱり止めた」
「なんですか」

「皇帝陛下は、その。…僕は、陛下のことが好きだ」

迷った挙句、その言葉に尽きた。
シーガは黙って見つめている。感情を表さない、いつもの青年の顔。

タースは何か悪いことを言っただろうかと考えるが。いや、今までもこんな顔をしていたと思いなおす。

そう、何を考えているのか、全然分からなくて。それが僕は嫌だった。
今、その表情をする青年になぜか淋しい気持ちになる。

「ミキーのことは?」
小さくつぶやいた少女は白い指先をタースの唇に這わせる。拗ねているように見える。
「ミキーの好きと、陛下への好きは違うよ。ごめん、心配させて」
タースが手を伸ばし柔らかな髪に触れる。ちらりと真っ白な耳がのぞく。
「くすぐったいですの」
「ほら、笑ってる方が可愛い」

ふいにミキーはタースにしがみついた。ふわりと甘い香りが漂う。タースは重さを感じさせない少女をそっと抱きしめる。

柔らかくて、温かいわけではないがそれがいっそうはかなさを感じさせる。
守りたいと思う。そばにいたいと心から感じる。

少年のシャツの胸に頬を押し当て、ミキーはじっとしていた。
「ミキー?どうしたの?元気ないよ」
ふいに起き上がると、ミキーはシーガを見上げた。
「シーガ様!タースを助けてほしいですの!」
「…」
黙って、シーガはタースの額に手を当てる。
いつもの、熱を測る仕草だ。
その手は暖かく、タースは目を閉じた。

ああ、陛下もこんなふうにしてくれた。
母さんみたいだ。
あったかいんだ。

安心する。

とくとくと鼓動を感じる。

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かいりさん♪

ありがとう~!!私もすっかりご無沙汰になっていて(><)
仕事もひと段落、新連載も順調に書き進んでいるので♪
音楽、がテーマの作品なの。カノンちゃんの歌とはまた違うんだけどね♪

んふ、スレイド氏、トモキさんとダルクさん、みんながんばってくれています!
どんなエンディングを迎えるのか♪楽しんでくださいね~!!(ティッシュが必要と思われます。

こんにちは!

またまたご無沙汰しておりますかいりです!
もう新作が始まっているというのに、やっと最終話に突入です!
そう、最終話なんですよね、な、なんだかドキドキしてまいりました><
シーガ様が皇帝陛下の息子だって聞いたら、タースはどんな反応を見せるんでしょう…!
というか、タースが無事(?)で良かったです…!
瞬間、シーガ様と一緒に最悪なことを考えてゾっとしてしまいました。
そして前章のスレイドさんの活躍!凄かったです!!
というか戦略というか、そういったものを描けるらんららさんが凄いです。尊敬します…!
私ももっとそういうところ勉強しなければと思いました。
そしてトモキさんとダルクさんの想いが全国民に届くことを願っています…!!(泣)
今日はここまでになってしまいましたが、また読みに来ますね!!
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