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「音の向こうの空」第四話 ⑥

第四話:思想の騎士、ファリの街



叫ぶ夫人。
オリビエはぐるぐると屋敷内を走り、庭に飛び出すと門を探した。
繁った木々を抜ける。

美しい庭に降り注ぐ昼下がりの陽光。幸せだったアネリアとの時間を髣髴とさせる。横目に見ながらまたどこかの貴族が到着した様子の正門にたどり着いた。

到着したばかりの馬車の脇を抜け、門にたどり着くが二人の男が立ちふさがった。
「通してくれ!僕は外に出る。少し、出かけるだけだから、だから!」

傍らで馬車の主らしき太った貴族が憐れみの声を上げている。

オリビエは二人の間を抜けようとするが、腕と肩をつかまれて身動きが取れなくなる。
「どうか、落ち着いてください」
衛兵は青年をなだめようと、肩に手を置く。
背後から侯爵家の従者長ビクトールが駆け寄ってきた。
「オリビエ様!どうか、お待ちを!」

「捕まえて縛り付けておしまい!命令よ、身動きできないようにして私の前に引きずってきなさい」
侍従長の後から夫人の怒鳴る声が聞こえた。

まあ、と呆れたように客人の奥さんだろう女性が口を覆った。

侍従長のビクトールが、どうか落ち着いてください、あなたのお気持ちは分かりますから、と背後から抱きとめる。
拳を握りしめ小さく震えるオリビエに同情の視線を向け、ビクトールの荒れた手がオリビエの手を覆った。
そのがさがさとした感触がアネリアを思い出させた。

「お前も、知っていたんだろう?アネリアのこと…私をだましたのか?」
「!申し訳ありません、あの時はそうするしか」

「耐えられない、私は」
ビクトールを突き放そうとした時、肩をポンと叩かれた。
痛いほどのそれに振り向くと、黒髪の騎士マルソーだった。

「なんだ、ここでも拗ねてるのか」
「!そんな、私は」
「ビクトール殿、少しお借りしますよ、散歩のお供にね」
マルソーは強引にオリビエを引き、そばにいた自分の馬にまたがった。
「ほら」
「…あの」
後ろに乗れということだろうが、オリビエには経験がない。
「急がないとご夫人に縛られるぞ」
戸惑いを見せる青年にマルソーは手を伸ばして強引に引き上げた。

ちょうど駆けつけた夫人に「しばしお借りします」と爽やかに笑いかけて見せるのも忘れていない。

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