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「音の向こうの空」第八話 ①

第八話:葦のように真っ直ぐ



「侯爵家には出入り禁止になっていてね」
ロントーニ男爵の言葉はますますオリビエを混乱させる。

「それは、その?」
「侯爵がいらっしゃれば許可も出るだろうがね。主のいない城を護ろうと皆躍起になっているからね。連隊長のズレン・ダンヤがあの様子じゃ、当分入れてもらえそうにないね」

「え?ズレンって、そういう立場なんですか?」

「ああ、知らなかったかね?あのメジエールを出たエリートだからね、侯爵の信頼も厚い」

いや、男爵こそ、この間の夜は彼のことを名前も知らない様子で酔っていたではないか。
怪訝なオリビエの様子に男爵は口元に白い歯をのぞかせた。

「あの時のことか?酔っているわけがないだろう?」
「でも、眠ってしまって?」

「そうすればお前と二人きりになれると踏んだのだがな。あいつはなかなか警戒心が強い。ふりだったことを感づかれたか」

世の中には分からないことが多すぎる。
あの酔っ払いが演技だとして、それは友情を演じていたズレンと同等、もしくはそれ以上の実力だ。二人は互いにそれを意識しながらけん制していたというのか、あの夜に!?

「ふ、まるで葦のように真っ直ぐ育ったか」

育ったと、かなり上から見下ろされて青年は眉をひそめる。
まるで小さい頃から見続けていたかのようではないか。

「その」
「あの場所には、革命家が集う。お前の両親を殺した輩も未だにそ知らぬ顔で自由を謳う」

何を、どう。言えば。
いや。

「え…?殺した!?」

男爵が見つめる青年は灰色の勝った淡いグリーンの瞳をこれでもかというほど見開いている。
当然。
青年の反応に満足した様子で、ロントーニ男爵はさらに肩に回す腕に力を込める。
「そうだよ。真実は闇の中。やっと、捕まえられそうなんだよ。奴らの尻尾をね」
「あの、ええと」
「冗談じゃない。酔ってもいない。いいかい。オリビエ、私が君の母親を愛していたことは侯爵から聞かされているだろう」
愛していた、と露骨な表現に何かしら不快感はあるものの両親が殺されたのだということのほうが強い波を心に立てる。
黙って頷いたオリビエに、男爵は声音をさらに低くした。

「私は、あの晩、マリアに会いに行った。お前がどう思うかは知らんが、私は彼女を愛していたし、彼女も私に応えてくれた。それは事実だ。そして、お前が納戸に入っている間に彼女と愛を交わそうとしたときに、教会からの使いが来た。お前の父、ラストン・ファンテルが転落事故で大怪我をしたと。私は隠れながらその話を聞き、彼女は私のことを気遣いつつも夫の後を追った」

そして。
「結末はお前も知っているだろう。私はお前の家を抜け出した。翌朝。二人がともに、事故死したことを聞かされた。あの時彼女を迎えに来た教会の下男たちは、今もぴんぴんしているのにだ。お前が納戸にいることを知っているのは私だけ。だから、納戸を開け眠っているお前を寝室に移したのだ」


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