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『La croisade de l'ange 2:Laon』 ④

『Laon ‐ランの風は苦く‐』



ラン。丘陵地と小高い丘、そんな言葉で説明できる平坦な街だった。東にはシャンパーニュへの山々、西にはイル・ド・フランスの平野を眺める交易の街。
北部のフランドルからクランク王国内各地へと物資が運ばれる拠点となる。内陸特有の強い風が一年中吹いているが気候は温暖。丘陵地を利用したブドウ畑が今は枯れた赤を見せる。すでに霜の降りたこの季節は新物のワインが出回り始める。商人たちはこの街で宿をとり、夜には果実味の豊富なワインをたしなむのだ。
ブリュージュとは違う、濃い灰色の石積みの建物を眺めながら、シャルルはきょろきょろと落ち着かない。それはクウ・クルも同じで、すぐ後ろのリシャールの馬エリアスに飛び移っては戻ってくることを繰り返し。しまいには「シャルル、イタチが暴れていますよ」と注意されるほどだ。
「だってさ」
旅の疲れも忘れたように、広場の市に目を輝かせる。
「ブリュージュでも市はあったでしょう?」
「だけど、なんか、違うよ。ほら、剣とか槍とかたくさん売ってるし!」
市場といっても食品や生活品とは違い、鍋や馬具、盾や剣など、道具を扱った店が多い。自然客は男性ばかりで、ざわめきも低い雷鳴のようだ。
「このランの近くに鉄鉱山があるんです。製鉄が盛んな村からここに運ばれる。この一帯で最も大きな鍛冶市が開かれます。だから、シャルル。武器を求める物騒な連中も多く集まる。気をつけなさい。馬と剣があれば騎士道をわきまえている、というわけではありません。お前もここでは男として通したほうがいいでしょうね」
ふうん。当然男装のままのつもりだから、シャルルに感慨はない。
ぽつぽつと人ごみの中、目に着く旗がラン伯の旗印なのだろう。青地と白地に分かれ、青地はフランス王家の紋章の金の百合。白地にはアヒルが三羽並んでいる。

「皆、ラン伯の兵隊なのかな」
リシャールはシャルルの横に馬を進め、歩調を合わせた。
「ええ。槍の穂先にある旗、あれで街がわかります。街ごとに二十騎は用意しているようですね」
「あれ?ロトロアのルジエは?僕らだけ?」
前後ろ、つながる騎馬の槍につけられた白地に蒼獅子の旗を数える。
シャルル、リシャール、キ・ギ、ローレンツ。そしてロトロア。
たった、五騎だ。
「ラン伯の命令では、我が町は五騎以内となっていましたから」
下手に増やしても減らしても、難癖をつけられるのが落ちなのだ。嫌な思いをしないためにも、そのあたりは守るしかない。苦い顔をする青年にシャルルは首をかしげる。
「徴兵が少ないのはラッキー?」
「他が二十も五十もいるのにですか?戦場でも活躍は難しいですし、不利なのは明白ですよ。ラン伯はロトロア様を警戒していますから。軍勢をひきつれてこられては脅威なのでしょうね」
「ふうん。他の城主の五倍も十倍も怖がられているんだね。剣を持つとロトロア、怖いからなぁ」
「……そう言われれば、小気味良く聞こえますね」
「そう?」
シャルルは首をかしげる。
叔父だというラン伯に歓迎されず、軍勢をひきつれることを恐れられている。そう言えば先ほどから、すれ違う騎士からあいさつを受けているロトロアはこの場の誰よりも上の立場みたいだ。今も、兜を日に煌めかした老人がロトロアを見上げて膝を折る。
「アンジュー伯の件以来だな、元気なようでなによりだ」と、ロトロアは笑いかける。
取り囲み、声をかける人々の中、また誰かが「今宵はシロンの店でどうですか、ロトロア様」と声をかけ、ロトロアは「ああ、あそこの羊肉は美味いからな」と手を上げる。誘った若者は嬉しそうに顔を赤らめ、仲間もはやし立てる。

「ロンロンは、人気なんだ?」
「ロンロンはやめなさい。ロトロア様は有名な騎士物語『ローランの風』の主人公のようだと言われますよ。ちなみに私はその美形の側近ミンヌのようだと」
「女役?」
「譲ってほしいなら、お前ももう少し綺麗にするんですね」
「いらないし」
自慢するところとは思えない。
「シャルルはそうですね、ローランを慕う少年剣士ラ・ステラというところでしょうか?」
「慕ってないし」
リシャール、綺麗で冷たい顔をしていながら少女趣味か。話し出すと止まらない様子で、主人公ローランがどういう人物なのか、ミンヌと恋に落ちそうで落ちない微妙なところが面白いのだとか。一人悦に入って語っている。
そんなことに夢中になれるなんて、リシャールは僕より断然女らしい。密かにそんな感想を持ち、シャルルの視線は人ごみを抜け出し、空を見上げる。午後の日差し、練りかけのパンを引きのばしたような雲が青を横切る。そう言えば、お腹がすいた。
ロイに会えるかもしれない、その期待に胸は膨らみ胃も騒ぐ。

ロイが元気で新しい王様になるのなら、例え傍にいられなくても僕は嬉しい。
僕があの時救い出そうとした行動は、間違ってなかったと思える。
晴れやかな秋の空が眩しくて、少しだけ涙がにじんだ。


ラン伯の城は、百年以上も経った古いものだった。四角い四つの塔を持つ要塞で、分厚い石の城壁に囲まれていた。城門の鉄格子の下をくぐると中庭には市場以上に多くの騎士や兵隊がいた。水場で馬を洗う騎士、飼葉を運ぶ使用人らしき男たち。女中たちは木枠に布を張ったテントの下でパンを切り分け、配っている。
「今日、ここでラン伯のあいさつがある。それが終われば、出陣の時まで郊外の陣営で待機することになる。まあ、我らはたった五騎。他の隊を預かることもないだろうし、気楽なもんだ」
ロトロアは笑って、娘の差し出すワインを手に取った。
キ・ギは全員の馬を引いて水場に向かい、リシャールはすでに女中たちに取り囲まれている。ロトロアには挨拶にと寄ってきた男たちが群がり、シャルルとローレンツだけが庭の隅でもらったパンを味気なくかじる。血気盛んな騎士たちには、老人と子供は目に入らない。

シャルルはつまらない気分で足をぶらぶらさせながら、少し大きいパンの塊を一気に口に頬張る。
隣に座る老人は目を細め、どうやらロトロアを見ている。
シャルルのパンをもらい損ねたクウ・クルが隣の老人の手元に狙いを定め、パンに向かって飛びかかる。驚いたローレンツは「ぬ!」と唸ってパンを取り落とした。
それはありがたく白イタチの腹に収まる。「貴様卑怯なっ」とクウ・クル相手に顔を赤くして飛びかかろうとする老人は、すり抜けられて転がっている。
シャルルの視線に気づくと、ふん、と鼻を鳴らし尻をさすりながら再びシャルルの隣に立った。
「あのさ、『ローランの風』でローレンツはどんな役なんだ?」
「ローラン…?ああ、あの女子供が読む読み物ですな」
「うん。僕はラ・ステラって役らしいよ」
「ラ・ステラはボクですよ」
え?
振り返れば、黒髪の少年がにこにこと笑っている。
たぶん、シャルルより年下。騎士見習いらしい服装に短いマント、腰には細身の剣が差してある。
僕は短剣一つなのに、と少しばかり癪に障る。
「お久しぶりです、ローレンツ様。隣、いいかな?ボクはジャン。あの物語では主君に忠誠を誓う少年剣士なんですよ」
リシャール様と、ロトロア様がローランならっていつも話しているんですよ。そう言って少年は頬を染めて笑った。ジャンと名乗った少年は自慢げに「ロトロア様は常に三つの剣を使い分けていらっしゃる。そんなところも主人公のローランに似ているんですよ」と。
「でも、一つはナマクラなんだ」シャルルが呟くと、途端に表情を硬くした。
「そんなことないですよ」
「知らないのか?あいつは抜かないための剣を一つ持ってるんだ。家に伝わるサーベルは戦闘用、獅子紋の長剣は常用の剣。あと一つの緋色の剣は抜かない剣だ。自戒だか何だか知らないけど」その剣が何を意味するのかは教えてくれなかった。ただ、抜かないと言った。それでも常に持ち歩いている。三つもあるなら一つよこせと言ったら「百年早い」と笑いながら言われた。
「君は、何者なんです?」少年はシャルルを睨んでふんと鼻息を荒くした。
「なんで、そんな言い方するんです。ロトロア様をあいつ呼ばわりなんて、許されることじゃないですよ」
「いつも注意しておるのだがな」とついでにシャルルの頭を軽く小突いたのはローレンツだ。
「いつも?ローレンツ様、この人は?ロトロア様のなんなのですか?」
ローレンツが「シャルル、シャルル・ド・リタというんじゃ」と勝手に応える。
リタの名をつければ、年齢にそぐわない領地を持つと分かってしまう。それがシャルルは嫌だ。
「リタ?君、まだ小さいのに封を受けているんですか!?」
年下のジャンに小さいのにと言われるのもどうかと思うが、ジャンの反応は予想通り。いぶかしげに睨むからシャルルもにらみ返す。人目を気にする性格ではないけれど、説明が面倒だから知られたくなかった。ローレンツは孫ほどの歳の二人に笑いかけ無邪気な追い打ち。
「シャルルはこれでもロトロア様のセネシャルなんじゃ。ロトロア様と正式な契約を結んでおる。まあ、珍しくお気に入りなんじゃ」
「なんだか、ずるいですね」
「…気に入られているわけじゃないと思うし。契約だってロトロアが勝手にさ」
いいながら少年の「ずるい」が気になる。ずるいってなんだよ、ずるいってさ。
「もしかして君、どこかの侯爵家の方とかですか?フランドルとか、ブルターニュとか?」
それなら納得とでも言いたいのか。ますますシャルルは苛立ちを腹に抱え込む。
「僕は孤児だよ。噂ではフラ……」
ごほん、とローレンツの咳払いが遮って、背中をどんと叩かれた。
いてっけほっ!とむせて、シャルルは舌を噛みそうになる。
フランドルのことは黙っていろと?
むむ、とこちらを涼しい顔で見つめる老人を睨み返す。

「孤児でもセネシャルって、……すごいですよ。ロトロア様、どうしちゃったんでしょう」
ジャンのすごいはシャルルを褒めていない。

こいつ、なんかむかつく。
ローレンツがシャルルを認めていないのは、以前から何となくわかっていたし、それはそれでいい。けれど、無関係なこの少年にとやかく言われる筋合いはない。大体、僕が決めたんじゃない、全部ロンロンが勝手に決めたんだ。

ジャンの神経質そうな大きな瞳は黒目がちで犬のようだ。いかにも自分はきちんとしているんだ、って感じ。イタチだとか獅子だとかに例えられる、野性味あふれる僕とは正反対だ。

そういう比較に意味があるのか分からないが、シャルルはどうにも隣に座るお坊ちゃんが気に入らなくなっていた。
家系を気にし比較しようとする類いは大抵が貴族の子弟。シャルルにとってはどれも同じに見える。教会学校にもそういう子どもが何人かいた。すべて決着は付けてある。このジャンも、シャルルにとって敵だ。敵と認識するからにはいつか決着をつけるわけだし、一応、そうでない場合に備え確認しておく。

「……ジャンはなんなんだよ?マントの紋章はシャンパーニュ伯のだよね」
ジャンは笑った。予想通り誇らしげに胸をそらす。
「僕はシャンパーニュ伯ティボー四世様にお仕えしているんですよ。亡くなった父がセネシャルとしてお世話になっていましたから、僕もいずれ、セネシャルになりますよ」
少年の肩にローレンツは手を置きにこにこと笑った。
「シャルル、ジャン・ド・ジョワンヴィルは賢臣シモンの息子じゃ。代々シャンパーニュ伯のセネシャルを務める家系でな」
僕とは違うってことだ。

シャルルがかすかに目を細め心中では臨戦態勢。不意にポンと誰かに頭を叩かれた。
日差しを背にした黒髪の騎士は笑っている。
「シャルル、何をむくれている。来いよ、叔父上に紹介してやる」
ロトロアだ。
「むくれてなんか……」
「わあ!」
と。シャルルの返事はかき消され、目の前が何かでふさがれる。
濃紺のマント。シャルルと騎士の間にジャンが飛び込んだのだ。
「ロトロア様!お久しぶりです!お会いしたかった」
「お、ジャンか。お前、見るたびにでかくなるな。今日は誰のお伴だ?馬に酔う奴か、いびきのうるさい小男か?」
ジャンはぎゅうとロトロアにしがみつく。見上げる笑顔はさっきまでの利口ぶった犬とは違う。ロトロアも頬を擦り付けんばかりの少年を抱きしめ、髪をぐしゃぐしゃとなでた。
「今日は、ロトロア様!ボクが初めて伝令を任されたんですよ!」
「そうか、よかったな!お父上も自慢だな」
「はいっ!」

そうか。分かった。
犬は主人を一人だけ選ぶ。格上のロトロアには無邪気に尻尾を振って見せるわけだ。で、格下とみた僕を馬鹿にする。
「眉間のしわはなんです?シャルル」
リシャールがいつの間にか隣にいる。
不覚をとった。性癖に近い習慣で女性の体に触れるリシャールは、すかさずシャルルの肩に手をまわしていた。慌てて一歩離れるシャルルに、青年は笑う。
「あの二人。ジャンはお父上を亡くしてからロトロア様を兄のように慕っているんです。ロトロア様も兄弟はいませんし、ご両親を亡くした境遇は同じです。ああして、可愛がっています……嫉妬、ですか?」
「違う」

嫉妬したのはあいつのほうだ。腹立たしいから見るのも嫌だ。
ジャンはリシャールにもにこにこと最上級の笑みであいさつし、例の『ローランの風』の話になる。いつか、決着をつける、シャルルはそう勝手に決め込んで満足すると、無関心な絵空物語の話題など無視し、ぞろぞろと並び始めた周囲の騎士たちを眺めた。

ラン伯のセネシャルらしい髭の細い男が、前に立って何やら読み上げている。
それに応じて、騎士たちがぞろぞろとその場所へと移動し始めた。
「ルジエはどうせ、最後さ」と。キ・ギは酒臭い息を吐きながらシャルルの脇に立った。
貴族だとか、女だとか、そういうことを気にしないキ・ギが傍にいて一番気楽だ。風体もどちらかと言えばクマだし。けだもの同士、気が合うのかも。
シャルルのそれがわかるのか、クウ・クルも時々キ・ギの肩に乗る。
今も隣り合う大小の二人を行ったり来たり。


ラン伯のあいさつは簡単なものだった。
集まってくれた騎士たちにねぎらいの言葉、ランの繁栄をともに分かち合おうと、杯を掲げた。
その後シャンパーニュ伯ティボー四世からの言葉として、少年が壇上に上がった。
先ほどのジャンだ。
堂々とした風情で『フランク王国ルイ八世陛下のお隠れにより、多くの不安がこの地を覆っている。亡き国王の弟君であるブーローニュ伯はこの状況を憂い、諸侯に協力を求めておられる。我が、シャンパーニュも古くからの友人ブーローニュ伯と王国の安寧のためお力を添えることとする。ラン伯及びその所領を治める諸侯にも協力願いたい』と。まだ高い声の少年は書簡を読み上げた。
誰かが「いいぞ、ジャン!」「立派なもんだ」と声をかけ。
ジャンは嬉しそうに頬を染めて一礼すると、段を下りた。
「ジャン坊はいずれ、立派なセネシャルになるだろうよ」と、背後でキ・ギが呟き。シャルルはふんと鼻息を吐き出した。
「あれくらい僕だってできるさ、って顔してるぜ」
ぎくりとロトロアを振り返る。
「お前は何でも顔に出過ぎる。学校でも喧嘩ばかりだそうだな。素直で喜ばれるのは子供のうちだけだ。騎士として大成したければ心に刻んでおけ」
「僕は、別に」背後に居並ぶ男たちを見上げる。ロトロア、キ・ギ、リシャール、ローレンツ。どれも立派な騎士。
「騎士になりたいんだろ?」ロトロアが笑う。
「騎士は、勇敢で真摯で忠義に厚くあるべきだって、それを実践すれば喧嘩になるだけだよ。僕にぴったりだろ!」
「じゃあ、試してみるか?ほら、御前試合が始まるぜ」
「名を売って他の貴族とも契約を結ぶことが可能ですよ。シャルル、我らは個人的な趣味でロトロア様のみに忠誠を誓っていますが、ロトロア様はラン伯ではなく、シャンパーニュ伯と最上位の臣従礼を結んでおられる。より多く、より強い諸侯からのオマージュを受けることは、騎士として名誉あることです」リシャールが長い髪をさらりとかきあげた。
「…じゃあ僕は国王様と契約する!」
ぶ、とキ・ギが噴き出す。
「まだまだ、お目通りもかなわんだろうが」
「身の程知らずにも限度があることを知るべきですね」
「子供とはいえ言っていいことと悪い事がある」
三人に一斉に馬鹿にされる。
「シャルル、俺のセネシャルとして恥じない結果を残せよ」

「へ?」
ロトロアに手を引かれ、人ごみを抜ける。
広場は人垣ができている。
大男たちの脇を抜けた先で、丁度派手な音を立てて背の高い騎士が転げ落ちた。
馬は悲鳴のような声を上げ鼻息を荒くしている。
「ジョスト(馬上槍試合)だ」
勝ち名乗りをあげている大男は、これまた大きな黒馬にまたがり「俺はドーダンのマスルだ!俺にかなう奴はいるか!どうだ、挑戦者はいるか!」と怒鳴った。
「ここだ!」
と。ロトロアが手を上げる。それを見た周囲はどよめいた。
ロトロア様だ、と誰かがささやき。期待に満ちた視線が集まる。「大丈夫かマスル」と誰かが冷やかし、挑戦者を募った大男はかすかに顔をひきつらせた。
「あいつは以前、殺しかけたからな」とロトロアはシャルルに片目をつぶって見せた。
馬上槍試合はそれなりに危険を伴うのだ。
「ロトロア、出るのか?」
「いや。お前だ」
「ぼ、ぼく?」
ロトロア様!と観衆がはやし立てる中、シャルルはキ・ギが引っ張り出した馬、ロンフォルトを見て蒼くなる。競技用の装身具をまとったロンフォルトは迷惑そうにシャルルを見つめた。大丈夫なのかい、と言っているように思える。
槍の訓練はしているけれど、剣術のほうがまだ自信がある。馬にまたがったままの突きあいでは小柄なシャルルは圧倒的に不利なはず。
「リタの獅子の異名を持つ、シャルル・ド・リタだ。子供だがいずれ国王のオマージュを得ると豪語している」
ロトロアの言葉に周囲の騎士たちはおおと声を上げ、盾を鳴らす。
踏みしめる足音、石畳を槍の柄で叩くリズムが早まる。観衆の掛け声は早くやれとシャルルをせかした。
人ごみの中、広場には競技の距離を置いて二本の線が引かれている。線の間が戦場であり、外に出ている間は攻撃できない。だが、潔く、互いに向き合うのがしきたり。背を向けて逃げるような真似はしない。
馬上槍試合はブリュージュでも見たことがあった。騎士の技量を図るトーナメントや叙任式の前の祭典に催しとして行われた。
今回のこれも、出陣に備えた騎士を鼓舞する一種のお祭り。
各町から集まった、諸侯の部下たちが力比べをするのだ。盛り上がるのも当然。敗者は勝者に対し命の代わりに剣や馬、あるいはそれに代わる金品を支払わなければならない。
ロトロアの命令で出るのであれば、負けた時にはロトロアが賠償することになる。
それでロトロアは言ったのだ。俺の名に恥じない働きを、と。

「くそ、やってやるさ!」



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chachaさん♪

おお~!!!
ツンデレ可愛い~(>∇<)
そんなchachaさんにわたしがきゅんきゅんです!!

ロンロンに、ちょっぴり惹かれてしまいましたか~!?
うふふふふふふ~(←不気味?
大人の魅力満載、たぶん私の理想の一人、妄想の産物です。kazuさん風に考えれば~(笑
いいことも悪いこともできちゃう大人なんです(←褒めてるのか?


馬上槍試合!!
上手く描けているか、どきどきですが。
楽しんでくださいね~!!

PCが調子悪い…もう大丈夫なのでしょうか~?
我がやも時々、ネットから疎外されてしまいます。ルーターの電源を切って、しばらく待ってつなぐと回復するという、変な奴になっています。
もう5年はたったけれど。なかなか、PC買い替えは勇気がいります~v-356

ぷはーっ!

ひとまず、ここでストップを☆
さて、これから帰り支度をしようかな~?^^

まさに!これからシャルル、本当に戦うの??やっちゃうの?馬上槍試合を!?
私の中ではシャルル、かなりの小柄イメージですが…しかも細身で。そんな少女が敵う相手なんだろうか、マスル。かなり手ごわそうだけれど…@@;

ロトロア、やっぱりすごく慕われている辺り、騎士として、人柄も良いんだろうなぁと思うけれど。
でも!でもでも!私は忘れないぞーロンロン!君は明らかにひどいこともしている!><
だから。ロトロアの背景を少し知りたくなってきました。知ったからといって、過去は消せないけれど…せめて、ロトロアの心境を知りたいと思うから。

くそー。ちょっとロンロンかっこいいなんて…お、思ってないんだからねっ!(ツンデレ風

それにしても。ジャンとは犬猿の仲になりそうな予感…ぷぷ☆
こういった相手も必要ですよね♪うんうん^^
何気にローレンツさんとクウ・クルのやりとりに心がほっこりしました(笑)ローレンツさん、ちょっとカワユイじゃないですか♪^^

花さん♪

お返事遅くなっちゃった~^^;
勉強、しなさい(笑

馬上槍試合、この時代の騎士が避けて通れない競技なのです♪
ジャン君との出会い。大人ばかりに囲まれて育つとろくなことがない(?)から、同年代、用意してみました♪
うふふ~意地悪な切りかたをしたからどうかと思ったけど♪
次回、ご期待に応えられるとうれしいな~♪

GOGO!!

面白くなってきた!
は、早く、早く続きを読みたいのです!(ワクワク
嫉妬心メラメラのジャン君に女の子だってバレたらどうしようかと思うし、ロンロンの素敵な一面ばかり並べられてシャルルちゃんが気変わりしないかも気になるし、男達に混じって華麗に活躍するシャルルちゃんも見たいし、でも不利な状況下でどうなっちゃうか心配だし、…
あぁもう、なんて面白い展開で切っちゃうんですからんららさん―!
気になることが多すぎて、これはもう勉強なんてしてられないd(ry

藤宮さん♪

おお、知ってます♪「Lock You」って映画だったと思います♪あの激突シーンは迫力でした♪甲冑とかかなり大仰で、あれをシャルルに着せるのはつらいかな~と。勝手に軽装的にしてしまいました。
クウ・クル!!羊毛で!?作れるの~すごいっ!!
見て見たい~!!!
物語に動物を登場させるの、好きなんですよ~今も私のPCの壁紙はクウ・クルのモデルの白いフェレットちゃん♪ペットショップに立ち寄ったら必ずチェックしてます♪

kazuさん♪

うふふ、ジャン。彼は実在する人物なのでどうしても描いてみたくて♪
そうそう、シャルルとは年齢は近いけれど育った環境や性格は違うので、いい意味でお互い刺激し会う感じになるかと♪
もちろん、今のままじゃ険悪だから、なんとかしなきゃですけど(笑

馬上槍試合…。うまく描けているかなぁ~私もシャルル同様ドキドキです♪
ロンロン派、増殖中です♪男くさく、かっこよく。(←決してスマートでない)彼のテーマです♪

ふはー

新キャラですね~、ジャン君!
シャルルとは果てしなく相性が悪そうですが(笑)、いつか決着をつける時が来るのでしょうかね?

馬上槍試合か~、いつだったか騎士を主人公にした映画で見たことがありますが、小柄なシャルルちゃんには槍は扱いづらそうな気も。

しかしロトロア、最初の印象からだいぶ変わってきました。
真正の悪役かこの人~と思っていた日々が遠い(汗)。
ただ格好良いのとは違って、強い騎士の顔の下に何となく、屈折した思いがあるような気がしないでも……的外れですかねー(爆)

なんにせよ、シャルルちゃんは試合で勝利を勝ち取れるのか!
逃げないところが流石獅子! とか思ってしまいますが、どうなる事やら。

観客になりきったつもりで(?)、行方を見守っていきますよ♪

……しかし、最近微妙にクウ・クルが可愛い。ローレンツさんからパンを奪い取るとことか。
白い羊毛でクウ・クルぬいぐるみを作ったら……調子に乗りすぎですかね(汗)

いいなー

かっこいいなー、ロンロン。
どんどんロンロン派になっていくkazuです、こんにちは^^

新登場のジャン君、可愛いですねー
ロンロンを素直に慕っているその姿に、シャルルちゃんとロンロンとの間が少しでも揺れないかなーなんて、考えてしまう私。

馬上槍試合、ロンロンが言い出したこととはいえ、「くそ、やってやるさ!」のシャルルちゃん。
内心ドキドキしてるだろうけれど、カッコイイですね。
女は度胸♪←ちょっと違う?(笑
怪我にだけは気をつけて、勝って欲しい♪

それにしても……、国王と契約の言葉に、三人には馬鹿にされてしまったけれど、ロンロンだけは対等に聞いてくれていた感じで。
その言葉を、信じさせるための舞台を作ってくれたのかなーなんて……
めっちゃ、ロンロン派なkazuでした♪
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